「よいです」と「いいです」

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前回のメルマガに早速反響をいただきました。

 

No.331「ホントですか?ウソでしょ!」

ホントですか?ウソでしょ!

さらに、日頃から気になっている言葉について質問をいただいたため、以下、掲載の許可をいただきご紹介します。新潟県内の経営者の方からです。

 

「今回の『ホントですか?』もいつも気になっていて、社員があまりにも『ホントですか』と言うので、『嘘を言うわけないでしょ。』と言いました。

最近、私が気になる言葉は『良いです』という言葉です。文章で「良いです」とは書きますが、話し言葉で『いいですね』を『よいですね』と言われると違和感があるのは私だけでしょうか。先日、社員が『よいです』を連発していたので、指摘しました。ただ、他の社員も、社外の方も『よいです』を使うので、これは一般的で私が間違っているのかと思ってしまいました。どう思われますか」。

さて、皆さんは、どう思われますか。

 

田巻も、この社長さんと同じで違和感を覚えます。場面によって丁寧さを強調する場合に「よい」と言うこともありますが、簡潔に言うと、文章などの書き言葉は「よい」、話し言葉の口語では「いい」の区別の仕方です。もう少し詳しく見てみましょう。

 

国語辞典編集者の神永 暁氏も、自身のサイト「日本語、どうでしょう?―知れば楽しくなることばのお話―」のなかで取り上げています。

それによると、簡潔な結論はやはり、「『よい』は文章語的、『いい」は話しことば的と言える」としています。

国語辞典で「よい」を引いてみても、「口語の終止・連体形は多く『いい』を用いる」と記されています。

さらに神永氏は、それ以外の大きな違いを以下のように説明しています。

「『よい』は形容詞としての活用をすべて持っているのに対して、『いい』は終止形(「……したほうがいい」など)と連体形(「いい感じ」など)の用法しかない。このため、『よい』と『いい』を別語と考えずに、『よい』の終止形・連体形に『よい』と『いい』の両形があるとする立場もある。しかし、最近は『よい』よりも『いい』の方が優勢になりつつあるため、終止形と連体形に限っては「よい」を使うと文語的なニュアンスを持つと受け止められることが多くなった。たとえば「頭がよい」と「頭がいい」、「腕のよい料理人」「腕のいい料理人」などの違いである」。

 


このように、終止形で「よいですね」などと使うと、やはり、文語的、書き言葉のニュアンスを持つことがわかります。

 

言葉誕生の歴史を調べてみると、言葉としては「よい」のほうが格段に古く、「よい」の文語形は「よし」。『日本書紀』『万葉集』といった奈良時代や平安時代初期の文献にも用例が多数あるようです。これに対して「いい」はかなり新しく、最も古いものは江戸時代中期の用例です。

 

昔の人からすると、「いい」は若者言葉、新しい表現だったのでしょう。

 

質問をいただいてから、この件をどのように書けばわかりやすいのか、少々悩んでいたところ、ある大学教授の方と話す機会があり、ヒントをいただきました。

 

なんと、その先生の大学の女子学生のなかには、「よいです」と言う子がとても多いそうです。田巻の周りにはいないため驚きました。

教授によると、それは今どきの若者言葉なのではないかと。歴史的にみても古い「よい」をわざと使うことで、一周回って親しみを込めた新しい表現にしているのではないかとおっしゃいました。

 

さらに、タイムリーな表現をテレビの情報番組で目にしました。お笑いの寸劇に途中で割り込んでいくシーン。

「良きタイミングで入ってください」と指示が出たと、文字スーパーでも「良き」と書いてあるではありませんか。

 

確かに、数年前から「よき」という表現を聞くようになりました。

SNSや口頭で、「よい」「いいね」という意味で使われる感嘆の言葉です。何かをほめたり、人におすすめする際に、「よきよき」「よきです」あるいは「よきかな」のように用いられます。

「よき+名詞」で、例えば「よき友」「古きよき時代」といった使い方は以前から一般的でしたが、若者言葉の「よき」は必ずしも名詞と一緒に使われないのが特徴です。「よき」は古語の「よきかな」を略した言葉だと言われています。「よき」は形容詞「よし」の連体形です。

 

「よき」を使うと「よい」を話し言葉で使うことに違和感もなくなるでしょう。本来は書き言葉、丁寧な言葉である「よいです」も一周回って、新しい表現になっているのかもしれません。あくまでも田巻の推測ですが。

 

改まった言い方をする時の「よい」は、例えば、ビジネスでも人に対して説明する時に「性能がよい商品です」「非常によい品質の商品でございます」などと使った方が、丁寧なイメージになります。

 

今回は、田巻の推測の域を出ませんが、こんな感じで、よろしいでしょうか・・・

 

 

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