天高く・・・○高く、〇低く・・・

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乗り物で移動するのが大好きです。出張で移動が大変でしょうとご心配いただくこともありますが、いつもと違う風景に非日常を感じることができるので、移動でストレスを発散できる、得する性格です。

 

 

特に飛行機は子供のようにワクワクします。新潟から各地に向かう飛行機はわりと小型が多いのですが、プロペラ機に乗ることにも慣れました。プロペラ機はジェット機に比べ飛行高度が低いため、天候に恵まれれば、地上の風景をより鮮明に見ることができます。

青空の自然のキャンバスには、様々な雲が絵を描きます。福岡に向かう際に目にしたのは、見事な秋の鱗雲でした。普段は空を飾る鱗雲を仰ぎ見ていますが、眼下に広がります。自然が作り出す美しい営みに、しばし見とれました。

 

 

 

鱗雲は空の高い所に現れるのが特徴で、プロペラ機は低めを飛んでいるので、どこまでもどこまでも続く白い綿の上を、プロペラ機がすれすれに滑るように飛んでいく感じです。

 

 

 

局アナ時代から、気象原稿を書いてきた田巻としては、雲や空に関する言葉にも興味が湧きます。その見た目から、いわし雲、さば雲、ひつじ雲と表現されるのも面白いものです。

 

さて、この時期は誰もが「天高く馬肥ゆる秋」ということわざを思い出すように、確かに秋の空は高く見えます。

 

 

秋に空が高いのは、いくつかの理由があります。１つは、秋の雲は高い位置に美しく並んでいるため、空が見える割合が多いので高く見えるのですね。逆に、夏の代表的な入道雲の底はとても低いところにあるため、空が見える割合も小さくなります。

 

また、秋は空気が澄んでいるという点もあげられます。乾燥していて水蒸気が少ないため、太陽光は散乱しにくくなります。そのため、空気の透明度が高くなり、澄んだ空気のもとでは、空が一段と高くなったように見えるのです。

 

 

「天高く馬肥ゆる秋」とつぶやきながら思い浮かべるのは、爽やかな気持ちのいい秋の風景。夏に消耗した体力を取り戻し、食欲の秋は、馬も人間と同じでよく草を食べて肥えていく様子でしょう。

 

すがすがしく良い季節の例えの他に、

「天高く馬肥ゆる秋だけに、何を食べても美味しくて」

「新米が美味しくて、ついついおかわりしてしまう、天高く馬肥ゆる秋だわ」

などなど、食欲の秋を強調するときにも使われます。

 

 

しかし、この言葉、実は本来の意味は違うのです。

 

中国の故事に由来し、秋になると北方の騎馬民族が、元気になった馬に乗って秋の収穫物を奪いにやってくるので気をつけろ、という意味があったのです。

 

冬に備えて襲ってくる騎馬民族に対して、準備を怠ってはならないという戒めの言葉、警戒、警告の言葉でした。

 

それが、現代の日本では、秋の季節の素晴らしさや時候の挨拶に使われるようになりました。全く違いますね。

 

 

さて、空と言えば、思い出すことがあります。息子、中３ポジティブ男子が小学5年生の時のことです。家の中で宇宙に1番近い場所で、宇宙の本を読みたいと、屋根に上って、青空のもと、読書をしていたことがありました。懐かしい事件です。

 

そんなポジ男に、最近嬉しいことがありました。読売新聞の全国作文コンクール、新潟県中学生の部で、優秀賞に選ばれたのです。県内で4人でした。

 

夏休みの宿題に書いた作文の方に、ポジ男だけもう１点作文を書くように先生に説得されて書いたものです。タイトルは、「人間関係は約数の多さ」。

https://www.tamakikatsuki.com/pojio23/

 

 

田巻が以前、ポジ男の名言シリーズでつづったことですが、彼が彼の言葉で作文に書いたのです。しぶしぶ書いていましたが、報われました。

 

 

天高く・・・志高く、腰低く・・・。