豚に真珠
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前回取り上げた「目から鱗が落ちる」という表現は、新約聖書の内容が語源でした。
メルマガ No.149「『目から鱗』に目から鱗」
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聖書を手に調べた際、もう一つ、目から鱗が落ちる言葉が。
実はこの言葉も新約聖書が語源だったのです。
新約聖書の「マタイによる福音書7章1節から6節」に このような文章を見つけました。イエス・キリストの説教のなかのたとえ話です。
『人を裁くな。あなたがたも裁かれないようにするためである。あなたがたは、自分の裁く裁きで裁かれ、自分の量る秤で量り与えられる。あなたは、兄弟の目にあるおが屑は見えるのに、なぜ自分の目の中の丸太に気づかないのか。兄弟に向かって、『あなたの目からおが屑を取らせてください』とどうして言えようか。自分の目に丸太があるではないか。偽善者よ、まず自分の目から丸太を取り除け。そうすれば、はっきり見えるようになって、兄弟の目からおが屑を取り除くことができる。
神聖なものを犬に与えてはならず、また、真珠を豚に投げてはならない。それを足で踏みにじり、向き直ってあなたがたに噛みついてくるだろう。』
「豚に真珠」は小学校3年の国語で習う代表的なことわざの一つで、「いくら良いものを与えても、その価値がわからない者にとっては何の意味もない」「無駄なことのたとえ」として知られています。
聖書には犬や豚がたびたび登場しますが、ただ単に「動物」というわけではないようです。その真意です。
「神は全ての人を愛し、福音によって救いへと導きたいと願っている。そのため、高価な真珠よりも遥かに勝る価値を持つ神の御国の教えは、多くの人々と分かち合うべきものだ。しかし、たとえその教えを分かち合ったとしても、神の御国・福音の価値を理解できず、それを退ける人が多くいるのも現実だ。また、一度神を信じるようになっても、後になってその教えを退けるようになり、再び元の汚れた生活を送るようになる人々もいる。このような人々に対しては、それ以上神の教えを語ることは無意味だから止めておくように。聖なるものを価値のわからない人々と分かち合わないように。」
というのが、ここでのイエスの教えの意図なのです。
価値のわからない者に高価なものを与えても何の意味もないということですが、神の愛も、赦し(ゆるし)も、価値を理解しない者には、文字通り「豚に真珠」というわけです。
聖書に目を通すと、「目から鱗が落ちる」ことばかりですが、そのメッセージが「豚に真珠」にならないように肝に銘じます。
さて、週に1度お送りしてきたこのメルマガも、今回で150回を迎えました。あっ、やめませんよ。今後も田巻の修業におつきあいくださいませ。
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