右と左のお話 Part2
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先週は雛祭りにちなんで、内裏雛の右左並べ方の違い、京都、大阪といった上方、現在の関西地方と、関東を中心とした並べ方は左右が逆なのはなぜかというお話でした。
右と左のお話 Part1
今週はそのつづきです。この右か左か問題は、私たちの生活やマナーにも見られます。
例えば、食事のマナーで、ごはんは左で汁物は右ですね。「米=神からの恵み」で、日本では稲作中心の生活を送っていたため、お米は命の糧とも言っていいでしょう。その影響もあり、お米を上位とし、ご飯を左、お味噌汁を右に配膳します。
着物の襟は自身からみて右を下にして左を上にして着ますし、舞台のステージの左が上手、右が下手とするのも(客席からは右が上手)左上位の思想です。
椅子に座る、離席するときは左からというマナーはどうでしょう。
椅子はもともと西洋から来た文化です。国際儀礼のプロトコルや欧米では「右上位」だからです。昔は西洋でも日本の武士と同様に剣を左腰に差しており、右側から座ろうとすると剣が邪魔で座りづらいため、「椅子に座る際は左から」というマナーができたそうです。
ただ単純に座りやすいからという理由だったものが、今では立派なマナーになるのですから、面白いものです。
また、右上位の考え方からも、右に自分より上位者が座るため、右から座ったり立ったりすると、上位者の邪魔になってしまいます。そのため、椅子に座ったり立ったりする際は、「左から」がマナーとされています。
晩餐会などの風景を思い出してみると、横長のテーブルで、男女が交互に座っています。このとき、男性は自分の右隣の女性をエスコートするのがエチケット。左側からの出入りは、右にいるエスコートする女性よりも遠い側から出入りするという配慮でもあるのですね。
受検や就活の面接でも、椅子の左側に立ち、挨拶をして座ると教えられると思いますが、先生からそう教えられたという理由でふるまい、なぜ右ではダメなのか、考えたこともなかったという学生が多いものです。
多くのマナーには、なぜそうするのか、由来や理由があります。そう教えられたから、習ったから、ではなく、なぜそうなのかがわかると、より身につくでしょう。
と、偉そうなことを言いましたが、今回、右と左問題をメルマガに書きたかったのは、田巻自身の頭がこんがらがるため、こうして文字に起こしておきたかったのです。今週も修業にお付き合いいただき、ありがとうございました。
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