残暑にふと思う【田巻メルマガ】
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お盆明けのニュースアナウンサー担当日、気象情報の原稿を書いていました。気象専門機関から送られてくる情報を基に書きますが、そこに、今年も「残暑」という言葉が登場しました。
「県内の最高気温は32度から34度と厳しい残暑が続きそうです」
立秋は毎年日付が変わります。通常、8月7日または8日頃。今年は7日で、それを過ぎると「残暑」が使われます。
「残暑」を辞書で引いてみると、「暦のうえで秋になっても残る暑さ。立秋後の暑さをいう」。
秋とは名ばかりで、実際はまだまだ35度に迫る、またはそれを超える猛暑。関東などでは40度に迫る地域などもありますが、「残暑」と呼び方を変えるだけで、なんだか暑さの感じ方がやわらぎそうで不思議です。
ところで、「暑さが残る」なら、寒さも残っていいはずです。皆さんは、「残寒」という表現は使うでしょうか。そもそも、「残寒」という言葉はあるのでしょうか・・・
あります。
「残寒」は、寒の時期(二十四節気の小寒から大寒をさし、1月5日頃から2月3日頃)を過ぎても残る寒さのことです。しかし、「余寒」という表現もあります。しかも、「残暑」の対義語として出てくるのは、「余寒」のほうなのです。
余寒は、立春(2月4日頃)以後の寒さをいいます。
「残寒」と「余寒」はどちらも残る寒さを表す言葉ですが、使われる時期に違いがあるのですね。
「残寒」は立春前の寒さ。
一方、「余寒」は立春を過ぎてからも残る寒さ、つまり春になっても残る寒さ。
「残暑」が暦の上で「秋」になっても残る
「余寒」は暦の上で「春」になっても残る、余る
このことから、「残暑」の反対語は「残寒」ではなく「余寒」というわけです。
「残暑」と「余寒」。
暑さは残り、寒さは余るのですね。
「残る」は、全体を取り除いた際、一部が取り除かれないでいる状態を表しているといえます。なくならないで存在する。
「余る」は、全体がある基準点を越え、はみ出しているような状態を表しています。一定の基準を超えてもあり、余分である。
気候をこの絶妙な表現の違いであらわす先人のセンスには驚きます。
言葉は残しても、肌で感じる残った暑さも、余った寒さもいらないなあ。
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