「預金」と「貯金」

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「預貯金」とは、「預金」と「貯金」の総称で、一般的に銀行などの金融機関にお金を預けることを言います。ところで、「預金」と「貯金」の違いをご存知でしょうか。

 

 

東京の高校に入学した息子、ポジティブ男子の上京準備の一つに生活費問題がありました。息子は今まで、キャッシュカードでお金をおろしたことはなく、まずはATMで現金を引き出す練習です。緊急事態宣言が出される前の話です。

 

 

通帳は田巻が新潟で管理し、いつ出金したのかわかる旨を、記帳しながら説明しました。その際、通帳を見ながら、ふと疑問に思ったことがあります。

息子が生活費のために使う郵便局の通帳には、「通常『貯金』」「定額『貯金』」と書いてありますが、他の金融機関の通帳には、「普通『預金』」「「定期『預金』」とあります。

 

 

たまたま目にしたJAバンクの新聞広告は、「定期『貯金』」でした。これまでは同じこととして、あまり言葉の意味を意識していませんでしたが・・・

「預金」と「貯金」には、実は違いがありました。

 

 

「預ける」「お金」と書く「預金」は、都市銀行や地方銀行、長期信託銀行、信用金庫、信用組合などの金融機関にお金を預けることを指す言葉です。銀行法などによって定義づけられた言葉です。

 

一方、「貯金」は、「貯める」「お金」と書きますが、郵便局(ゆうちょ銀行)、農業協同組合(JAバンク)、漁業協同組合(JFマリンバンク)などにお金を預けることを言います。郵便貯金法や各組合法によって定義づけられている言葉なんだそうです。

 

正確には、どこに預けるのかによって言い方が違うわけですね。しかし、「貯金」は郵便局などにお金を貯める場合以外に、銀行などにお金を預ける、さらには家の貯金箱にお金を貯めることなど、全てを含め個人で「お金を貯める」といった広い意味でも使われます。

 

となると、厳密に使い分ける必要もなさそうですが、そもそも、取り扱う金融機関によって呼び方が違うのはなぜなのでしょう。統一すればいいのに、と思ったのですが、それには歴史歴背景が関係していました。

 

 

郵便貯金は、国の政策として明治8年から始まりました。それまでの日本では、「いざというときのためにお金を貯める」=「貯金」という習慣があまりありませんでした。

そこで庶民に、お金を貯めることを奨励しようと、イギリスの郵便制度を参考にして当時の大蔵省が運用を始めたのが郵便貯金なんだそうです。一人一人の貯蓄額は少なくても、それらを集めることで国家の発展のために活用しようという目的もありました。お金を預けたのは主に貧しい農民が多かったそうです。

 

 

一方、銀行が日本で始まったのは明治6年からで、当時銀行にお金を預けたのは、商人や企業などが主でした。当時は預けられる最低金額が、現在の20万円から30万円程度以上など決まっていたそうで、多くの庶民は利用したくてもできなかったのです。当時から「預金」は、企業などに融資という形で貸し出されていました。

 

庶民がお金を貯めるために始まった「貯金」と、商人や企業がお金を預け、運用するために始まった「預金」。歴史的な成り立ちの違いが、呼び方の違いだったのですね。

 

 

さて、ポジティブ男子は新型コロナの影響で、新潟でオンライン授業を受けているため、まだ1度も1人でお金をおろしてはいません。(高校の対応は早く、国が延長を決める前に、登校は5月下旬から6月上旬に延期し、入学式は、なんと9月になりまして。アメリカのようですが、さすが、帰国子女の多い高校です。)

 

 

しかし、○○Payでの支払いの練習は何度ができました。キャッシュレス決済は、銀行口座からチャージができるので確かに便利です。どこでどんな買い物にいくら使ったかも履歴でわかるため、田巻も活用しています。

 

さらに、2月の高校受験時は、電車の乗り方の前に、切符の買い方を練習しましたが、スマホを手に入れてからは、モバイルSuicaを使いこなしています。

 

基本、スマホをもっているからこそできることですが、チャージすればいくらでもお金がある感覚にならないか心配しています。

 

生きていく上で、お金の管理は重要です。ポジティブ男子は寮生活なので、全てを管理するわけではありません。しかし、月の仕送りのなかでうまくやりくりして金銭感覚や生きるすべを身に付けてほしいものです。

 

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●○● 編集後記 ●○●

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思い起こせば、30年以上前、大学受験、進学で上京した際、電車の乗り方、切符の買い方もわからなかったものです。

 

スマホはもちろん、ネットもない時代は、何の事前情報も口コミもなくわからなかったら、「人に聞く」。しかし、それで得たものもたくさんあります。

 

東京在住の親戚などにお世話になりながら。大都会の荒波にもまれ、全ては経験から学びました。

 

スマホからも学べますが、「経験は師」ですね。

 

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