丑三つ時に「正午」を語る

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ただいま、深夜2時。「草木も眠る丑三つ時」でございます。

 

 

この表現は、気味が悪い程、ひっそりと静まりかえっている真夜中のたとえ。怪談話の出だしを思い浮かべるかもしれません。そんな深夜に、メルマガを書いています。

 

 

さて、大学の新年最初の授業で毎年取り上げる言葉があります。

「干支」です。

 

 

学生たちは、今年が子年であることは知っていますが、「それは十二支、干支は?」と聞くと一様に戸惑います。干支は十干(じっかん)と十二支の組み合わせ。

 

十干は中国の五行思想から発生した考え方で、木、火、土、金、水の5つをそれぞれ兄(え)と弟(と)の2つにわけて10要素を作り漢字を当てています。

 

甲(きのえ)乙(きのと)丙(ひのえ)丁(きのと)戊(つちのえ)

己(つちのと)庚(かのえ)辛(きのと)壬(みずのえ)癸(みずのと)

その組み合わせは60通りなので、干支は60年で一周します。

 

 

60歳の還暦(かんれき)が、60年で干支が一周して自分が生まれた干支に戻ったことを意味すると話すと、ほとんどの学生たちが驚き、田巻はそれに驚きます。

ということで、今年は庚子(かのえね)の年にあたり、60番中37番目で、さらに現在の大学1年生から4年生の干支も教えると、自分の干支を初めて知ったという学生たちが続出でした。

 

 

田巻は迷信が有名な丙午(ひのえうま)生まれであることもお決まりのネタです。

 

 

さて、現代では年を表す十二支ですが、もともとは方位や時間を示すために使われていました。

 

アナログ時計を思い浮かべていただくと、一周12時間ではなく、24時間として、12時を0時にして右回りに十二支をあてはめていきます。

 

例えば、0時を中間にした前後1時間を十二支の名前をつけて23時から1時を「子の刻」1時から3時を「丑の刻」・・・その2時間を30分ずつ4等分にして、一つ時、二つ時、三つ時、四つ時としたわけで、2時から2時30分が「丑三つ時」にあたります。

 

 

2時間の中間を正刻と言い、11時から13時までは「午の刻」ですが、中間の12時のことを「正午」というのは、「午の刻」の「正刻」だからです。

 

 

 

この理由を知った時は、なるほど~と田巻もスッキリした気分でしたが、学生たちも、「正午という理由を初めて知って納得した」という感想が多く寄せられました。

 

 

ちなみに、深夜0時のことは、「子の刻」の「正刻」で正子(しょうし)ですよ。

 

 

草木も眠る丑三つ時なので、田巻も眠ります。

 

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