ちゃんとして!

田巻華月メルマガ「『人間力』に磨きをかける!」メールセミナーの内容をブログでは1週間遅れで簡潔にお伝えしています。2018年5月18日配信分のメルマガの内容です。

 

「ちゃんとして?」「何を?どうすればいいの?」

 

 

このところ、経営者や管理職の皆様の講演や研修が続いています。どんな業界でも人材育成は課題で、ご相談を受けます。社員教育について悩んでいる指導者は決まってこうおっしゃいます。

 

いつも、『ちゃんとしろ』と言っているんですけどね。できないんですよ。困ったもんです。私もそうでした。

言うことをきかない、伝わらないという管理職の方は多くいらっしゃいますが、ただ、本当に伝わる言い方をしているでしょうか?特に若い世代には通用しない場合が多いものです。「ちゃんとして」「きっちりね」「しっかりと」などなどこれら言葉は、人によってそれぞれ捉え方が違います。過去の経験や知識から想像する力が必要です。

 

子育て中のママの悩みと同じようなことですが、小さな子供に「人のおうちに行く時はちゃんとしてね」と言っても、お母さんの言う「ちゃんと」が何なのか、子供にはわかりません。

 

 

まずは「こんにちは」と挨拶をする。

玄関で靴を脱いだらこうやって並べる。(実際に見せて教える)

何か出されたら「いただきます」と言ってから食べる。

帰る時は「ありがとうございました」と言う。

などなど具体的に言わなければ子供には伝わりません。

 

「ちゃんと」だけ言われて、それができないと叱られ、子供は教えられていないので、なぜ叱られるのかわからない・・・これと同じことが、仕事でも起きていないでしょうか。

 

 

我が息子、中学2年生。扱いにくい反抗期真っ只中でございます。「ドアは開けっぱなしじゃなくてちゃんと閉めなさい」何度も言うと閉めるようになりました。

しかし・・・

お風呂に最後に入ったあともきっちりドアを閉めておりまして、

田巻「最後なんだからドアは開けなさいよ」

息子「ドアは閉めろっていつも言うだろう」

田巻「お風呂は換気をしないとカビが生えたりするから

最後に入った人はドアも窓も少し開けてくれたら嬉しいなあ・・・」

ムカムカしながら言うわけですが、教えていないのに叱られて息子も反感を持ちます。

 

これと同じようなことがあらゆる会社でも起きています。大人なんだから、そこまで細かく言わなくてもわかるだろう、と思うことが大きな原因になっている場合があります。

 

教育する側、管理職の言葉が足りないのに、「なんでわからないかなあ、いつも言っているのに」の落とし穴がそこにあります。

今の若い世代は、「言わなくてもわかるだろう」は通用しません。それをすると、「受け入れられていない、冷たくされた、厳しい」と感じて早期退職につながる場合が多いようです。

 

 

あなたががもし、20代?若手の方であればこんな言い方をしてごめんなさいね。実は年齢は関係ないのですが、若い人に多いので指導する大人も日々悩んでいるのです。

 

例えば、挨拶ができなくて叱っている指導者が自ら挨拶をしていない場合もあります。指摘すると、耳が痛いと苦笑いされたり、先日も、部下には言いながらも自分ができていないこと気がついたと話してくださいました。

 

挨拶そのものをしていない場合もあれば、しているけれど、「ちゃんとした挨拶」になっていなくて指導者をイライラさせる場合も。

 

指導者が求めている「ちゃんとした挨拶」はどんな挨拶なのか、社員に伝わっていない場合がほとんどです。

 

社内だけでなく、お客様相手であれば、業界によってお辞儀や言葉遣いの雰囲気も違います。「ちゃんとした挨拶」は何通りもあるのです。

 

先日、運送会社の女性社長がトラックドライバーの挨拶の件でこんなことをおっしゃいました。

 

「ち~す!」と挨拶をするドライバー。挨拶を「する」のか「しない」のか、であればドライバーからすると「している」ことになります。

 

しかし、その社長が求めている挨拶はこうです。

・事務所に入る際、入口で1度立ち止まって姿勢を正す

・「おはようございます」と大きな声で明るく言ってお辞儀

・事務所を出る際、振り返って姿勢を正す

・「行ってきます」「お疲れ様でした」「お先に失礼します」などハキハキと言ってお辞儀

 

自ら手本を示し、それだけを徹底しました。そのドライバーが素直であったことも幸いし、同一人物なのかと思うほどに気持ちのいい挨拶になったそうです。

 

しかし、それだけではない嬉しい連鎖が起きました。

 

その挨拶を周りの同僚たちが褒め、社長も成長を認めたことで行動にだらしなさがなくなり、やらされ感ではなく、自らが改善し、仕事にも大きく影響が出てきたというのです。

たった1,2週間で。

おそらく、いつも見ていてくれる、その愛が伝わったのかもしれません。

 

人としての基本である挨拶。大きな声で明るくハキハキした声を出す、そこに基本のお辞儀を加える、そこができると、次の行動、態度がだらだらすることはありません。

 

全てが連動しているのですね。人として、社会人として挨拶をするのは当たり前、挨拶だけではない、人としてのモラルや様々なマナー。土台がないと家は建たないように、その当り前の土台ができていないといくらスキルを積み上げても崩れてしまいます。

 

ご存知のように売り手市場。学生たちからは危機感はあまり感じられません。わりと簡単に内定が出るため、こんなはずじゃなかったと簡単に辞めてしまう傾向があります。

 

新卒者の高卒離職率、厚労省平成26年調べで、「入社3年で辞職」

全産業で高卒約41%。大卒32パーセント。非常に高い離職率です。どの企業でも若手社員の会社離れ、社員の定着化は課題です。

 

そんな若者たちが離職する原因について、先輩である指導係が自分のことで精いっぱいなど社内環境の変化も挙げられますが、その他にあげられる大きな原因はこの2点です。

 

1 若手社員(20代30代)のモラルの低下

2 教育する立場の管理職層(40代、50代)と経営者が、若手社員のモラルが低下している現状を受け入れていない

 

再度挨拶を例にとると、若手社員が挨拶をせずに叱られます。

若手社員 「なぜこんなことくらいでそこまで叱られるのか?」

管理職 「まったく、最近の若者は挨拶すらまともにできない!」

そして、若手社員はその他のことも怒られ続け、しまいには嫌になり辞めてしまう現実。

 

上司からすると挨拶やその他諸々当り前のことですが、もし、この若手社員が「挨拶をする」という習慣がなかったとしたら。挨拶だけでなく、人としての大事な考え方を親や周りの大人たちに教えてもらえなかった環境で育っていたとしら。そのことがわからない管理職は、自分が当時20代でできて当り前のことを若手社員ができないので、イラだって叱る・・・

 

想像以上の今の若者の現状を把握していないからかもしれません。今の若手社員と自分が若かった頃と比べず、気を長くもち社員教育を行って結果を出している企業や、ファシリテーションを取り入れ日ごろから考えさせ、コミュニケーションをとって離職率が低い企業もあります。

 

拙著『「秘書力」で人生を変える!』の中でご紹介しているコミュニケーション不足のお絵描き。山と木を3本、太陽を書いて1枚の絵を完成さるワークです。

私が描いてほしいなあと思った絵を正解としますが、直接お会いした3000人を超える受講生でこれまで1度も正解者はいません。

 

しかし、絵の才能は抜きにして、形は違えども、皆さん、山も木も太陽も書けます。その形を表す能力は誰にでもあるわけです。しかし、私が描いてほしかった絵とは違いました。

 

では、私が描いてほしい絵を描いてもらうには、どうすればよかったのでしょう。私にはより具体的な説明が足りませんでした。そして、もし受講生から、どんな山ですか?など質問があれば、こんな山を描いてほしいと要望を言えます。

 

「同じ絵」は「同じ目的」同じ方向を向くということです。

 

一方的な説明不足な投げかけでは同じ絵を描くことは不可能です。これが、コミュニケーション不足と言うことです。

 

相手に描いてほしい絵があったり、お互いに同じ絵を描くためには、相手とのコミュニケーションなしでは描けません。相手の意向を聞き、相手の思いを想像し、書いていきます。

 

ビジネスの場面であれば、「同じ絵を描く」ことは、「同じ仕事を一緒にする、同じ方向を向く」ことです。山も木も太陽も描けるように、それぞれが必要な能力も持っていても、同じ仕事を一緒に、しかも成果を生む、同じ絵を描いていくには話し合いや質問などがあり、いわゆるコミュニケーションがあってこそです。

 

山かけ~!木をかけ~!と言っていないでしょうか。山はこんな山、木はこんな木、具体的な説明が必要で、わかっているだろうでは伝わりません。

 

余談ですが、息子はサッカー部。この春から顧問の先生が変わりました。昨年度、負けることが当り前のようなチームがなんと今年度に1度も負けたことがないのです。

サッカーの基本であるパスの練習、基本の基本の練習や目標など細かいこと文字に表したサッカー部通信。指導者でこんなにも変わるのかと驚いている田巻です。

 

あなたがもし指導する立場なら、その指導、相手に「ちゃんと」伝わっていますか?

あ~。私もちゃんとしよ~。

田巻 華月メルマガ「『人間力』に磨きをかける!」メールセミナー 「1ミリでも前へ!一歩踏み出す勇気とやる気をプレゼント!」をコンセプトに、生涯アナウンサー&元秘書 田巻華月がおおくりしています。

 

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