手当て

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運転中に赤信号で停止した際、見かけた風景です。デイサービスの車から、お年寄りが介護施設に入っていきます。若い男性の介護士が、足元がおぼつかないお婆ちゃんの手をとっていました。密を避けるように言われても、やむを得ない場合もあります。

 

 

片手を握り、もう片方の手は背中に当てられ、時折さすったり、赤ちゃんに「よし、よし」するような動作をしていました。このご時世なので、お互いマスクをしていますが、介護士さんの目は優しく、お婆ちゃんは嬉しそうでした。

 

何気ない朝の一コマですが、心がほんわかして、仕事に向かうことができました。お互いに距離をとらなくてはならない今だからこそ、人の手のぬくもりから、温かい心や優しさが伝わることがあります。

 

 

「手当て」という言葉があります。社会人なら、報酬として支払われる金銭や、基本給以外の単身赴任手当て、家族手当てなどを思い浮かべるかもしれません。しかし、今回の場合は、病気やけがの処置のことでで、「病院で手当てを受ける」「傷口の手当て」などです。

 

私達は、叩かれたり、怪我をした時、また腹痛などがあると、考えることなく、その部分に手を当てます。なぜでしょう。手を当てることで、痛みや病気が軽減するということを、人間は本能的に知っていると言われています。

 

確かに、聖書や仏典には、キリストやお釈迦さまが、救いを求める衆生に手を当てて病気を治す場面が出てきます。これは聖者などの特別な人にのみ与えられた力ではなく、昔は患部に手を当てて、人々が暮らしの中でそうした治療を行っていたため、「手当て」という言葉が生まれたそうです。

 

またそこから転じて、怪我や病気をした時に行う治療を「手当て」というようにもなったのですね。

 

そういえば、出産で長い陣痛に耐えたとき、痛い腰を助産師さんや母、夫がずっとさすってくれましたが、薬を飲んだわけでもないのに、痛みがやわらいだのは不思議です。

 

 

熱が出て、おでこに手を当てられた、当てた経験は皆さんにもあると思います。その手から愛情を受け取り、また、与えているのでしょうか。

 

私達の手からは、誰でも癒しのエネルギーが出ているそうです。患部に手を当てて、痛みを取ったり病気を治す治療法は世界中に見られます。それを気功といったり、レイキと呼んだり、ヒーリングや手かざし療法、手のひら療法、触手療法などと名付けたりしています。

 

手をかざすだけで治療なんて、うさん臭いと思われる場合もありますが、言葉が話せない赤ちゃんが、不安を感じたり、何か具合が悪くて泣いていても、お母さんが手を当てたり、さすったりすると落ち着くことは多くの母親が経験しているでしょう。

 

 

たまに老夫婦が、手をつないで歩いている様子を見ると、微笑ましくもあり、手から出るエネルギーには、痛みを取るだけでなく精神をリラックスさせる効果もあるのだなあと思います。

「手当て」の効果は、愛情と比例するようで、お母さんが赤ちゃんに行うとなぜ特別に効果があるのか、よくわかります。

 

CMで大地真央が言っています。「そこに愛はあるんか！」結局、歌のタイトルにもあるように、「最後に愛は勝つ！」

 

 

家族や大切な人、そして自分自身に「手当て」をしてみると、感じるものがあるかもしません。今はしっかり消毒をして。

 

何か嫌なことがあったり、心が痛いとき、緊張しているときに胸に手をあてることも、知らず知らずとはいえ、意味があるのかもしれません。

 

新型コロナ感染者の増加が止まりません。今後に不安はつのるばかりです。安心して誰とでも握手をし、手をつなぐことができるようになるのはいつなのでしょう。

 

こんな時だからこそ、体の手当て、心の手当てが必要です。

 

ちなみに私は職業にはしていませんが、レイキヒーラーです。さらっとカミングアウトしたところで、今週はこのあたりで。ごきげんよう。さようなら。

 

田巻　華月メルマガ「『人間力』に磨きをかける！」メールセミナー　「1ミリでも前へ！一歩踏み出す勇気とやる気をプレゼント！」をコンセプトに、生涯アナウンサー＆元秘書　田巻華月がおおくりしています。