敷居が高い
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毎年この時期に、注目しているものがあります。
文化庁が発表する国語世論調査です。今年2月から3月に全国の1994人が回答した結果がまとめられました。
この調査結果で自分自身が学ぶことも多いのですが、今回注目された言葉が、「敷居が高い」です。この言葉は、間違いやすい言葉として取り上げられることも多いので、正しい意味は浸透していると思っていましたが、本来の意味で捉えていた人は3割にとどきませんでした。
1 高級すぎたり上品すぎたりして入りにくい
2 相手に不義理をしていて行きにくい
皆さんは、どちらの意味で使っていますか?
正解は、2ですが、理解していたのは29%。1と答えた人が56.4%でした。
では、「浮足立つ」はどうでしょう。
1 喜びや期待で落ち着かずそわそわしている
2 恐れや不安で落ち着かずそわそわしている
何に対して落ち着かないのか、正反対ですが・・・
1は60.1%で2は26.1が選びましたが、これも低い方の2が正解です。
「手をこまねく」という表現はどうでしょう。
1 準備して待ち構える
2 何もせずに傍観している
こちらも使い方を間違えると、全く反対の意味になってしまいます。正解は2です。1は37.2%。2は47.4でした。
正しい表現として使っても、それを聞いた人が反対の意味で捉えていては意思疎通ができないのが難しいところです。
また、国語が「非常に乱れていると思う」と「ある程度乱れていると思う」を選択した人(66.1%)に、どのような 点で乱れていると思うかを尋ねた結果、「敬語の使い方」(63.4%)、「若者言葉」(61.3%)の割合が他に比べて高く、それぞれ 6 割を超えています。
次いで「新語・流行語の多用」(34.3%)でしたが、一方で、就活や婚活など「活動」を略す「~活」という、わりと新しい表現は、若者から高齢者まで幅広い世代で浸透していることも数字に表れました。
90.6%の人が、「~活」の新しい表現を「気にならない」と回答。70代以上でも80%の人が許容しています。
先週から大学の後期授業が始まりましたが、「日本語表現法」履修生が、こんな感想を書いてくれました。
「何か大事な言葉を日々意識しながら生きてみるのもいいなと思った」。
初日の感想にしては、田巻、感激です。そんな学生が一人でも増えていくことを願い、言葉を磨くことを伝えていこうと思います。
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