雪辱を〇〇す

田巻華月メルマガ「『人間力』に磨きをかける!」メールセミナーの内容をブログでは1週間遅れで簡潔にお伝えしています。2022年2月25日配信分のメルマガの内容です。編集後記やセミナー情報などをタイムリーにご覧いただくには、メルマガにご登録ください。メルマガは毎週金曜日の午後に配信しています。

故郷鹿児島が生んだスター西郷輝彦さんの訃報。年の離れた従兄の高校時代の同級生ということもあり、昔からよく話も聞いていたので勝手に親近感を覚えていました。スターになってからも気取らず友達付き合いをして、よくゴルフにも行ったとか。

先日、田巻は1年半後の仕事の依頼を受け、元気でいることも仕事だなと思うきょうこの頃です。西郷さんのご冥福をお祈りします。

さて、北京オリンピックが幕を閉じました。田巻が住む新潟県では、スノーボード平野歩選手の金メダルなど、新潟県勢の活躍に沸きました。ところで、競技などでよく聞く表現に、「雪辱を〇〇す」があります。この〇の中に、どんなひらがな二文字を入れますか?

二択問題にすると、雪辱を「はらす(晴らす)」か、雪辱を「はたす(果たす)」どちらでしょうか。

今回の北京オリンピックの報道記事では、「平昌オリンピックでの雪辱を晴らすため・・・「平昌の雪辱果たせず泣きじゃくる・・・」など どちらの表現も見られました。

2019年(令和元年)度の文化庁の「国語に関する世論調査」では、

「雪辱を晴らす」を使う人が50.5%

「雪辱を果たす」を使う人が38.3%という結果でした。

実はその約10年前の同じ調査(2010年平成22年度)では、

「雪辱を晴らす」を使う人が43.3%

「雪辱を果たす」を使う人が43.9%と、同率だったのです。この10年で、「晴らす」派が多くなっていることがわかります。

田巻がこの問題を取り上げるということは、ご想像のとおり、本来の言い方は、「雪辱を『果たす』」です。

「雪辱」という語を広辞苑で引いてみると、

(「雪」はすすぐ意) 1 恥をすすぐこと。

 2 試合・競技などで、前に負けた相手に勝つことにいう。とあります。

「雪辱」は恥を雪(すす)ぐという意味で古くからある漢語のようです。以前受けた恥を、仕返しすることによって消し去ることで、現代では、競技などで前に負けたことのある相手を破って、負けた恥をすすぐということですね。「雪辱」という語自体に相手に勝つという意味があることがわかると、その後に続く言葉もわかるはずですが・・・

「はらす」と「はたす」は、音が似ているので厄介です。

「晴らす」は、なくす 解消する 目的を遂げる

「果たす」は、成し遂げる 結果を得る 物事を終える 目的を遂げる

と、主な意味も似ている点があるので誤用が生まれたのでしょう。

辞典編集者の神永暁氏は著書『微妙におかしな日本語』のなかで、『「晴らす」は、不快なものを払い除いて快くするということだから、意味不明の言い方にしかならない。「屈辱を晴らす」との混同から生まれた言い方だと思われるが、やはり誤った言い方であるとしか言いようがないのである』と述べています。

やはり、「雪辱を晴らす」は誤用で、使用を避けるべきですが、その誤った言い方がどんどん増えている現状です。今回の北京オリンピックで田巻が見つけた「雪辱を晴らす・・・」の表現は、残念ながら、あるテレビ局の表記でした。

テレビが使うと正しいと思うのも当たり前ですが、だからこそ責任重大。改めて、日々、言葉遣いに注意しようと思った田巻です。自戒の念も込めて。

「雪辱を晴らす」に負けてしまった「雪辱は果たす」が、次回の調査で「雪辱を果たす」ことができることを願います。

拙著『安心と自信を手に入れる!ビジネスマナー講座』には、和食、洋食、中華などの食事のマナーも掲載しています。参考にしてください。また、2022年3月3日にアマゾンで電子書籍が発売になりました。分厚い本でも、電子書籍なら気軽に確認できますよ。

メルマガをタイムリーにご覧いただくには、メルマガにご登録ください。

↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

オフィシャルサイト こちら

暗闇を照らす月のように それぞれの道に寄り添い光をあて 華を咲かせるお手伝い 

~ あなた ~ MFleur 代表 田巻 華月

オフィシャルサイト こちら

Ameba Blog こちら

田巻 華月(個人) Facebook こちら

M*Fleur Facebook こちら

『「秘書力」で人生を変える!』Facebook こちら

『「秘書力」で人生を変える!』Amazonこちら

Instagram こちら

Twitter こちら