「五月」がつく言葉

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ゴールデンウィークは、庭の雑草を取り、プランターにも寄せ植えをしました。街中も新緑が輝き、改めて、5月は清々しい季節だと感じています。

田巻の住む新潟市では、ゴールデンウィーク終盤はまとまった雨が降ったものの、その後は晴れの日が続いています。

明日からは少々ぐずつきそうですが、その後は晴マークが見られ、このように5月は晴れる日が多いものです。そこで思いつくのが、「五月（さつき）晴れ」という表現です。

「五月（さつき）」は旧暦・陰暦の呼称です。「五月晴れ」という言葉は、現在はすっきりとした5月の晴れた日に使われますが、旧暦の5月は現在の6月から7月中旬頃、梅雨の時期にあたります。

つまり、旧暦が使われていたころは「梅雨の晴れ間」「梅雨の合間の晴天」を表す言葉でしたところが、時がたつにつれ誤って「新暦の5月の晴れ」の意味でも使われるようになり、この誤用が定着しました。

「五月晴れ」について、主な国語辞典も、新旧両方の意味を記述しているものが多いようです。五月晴れがもともと梅雨の晴れ間をさしていたように、五月雨（さみだれ）は、旧暦5月に降る長雨、つまり梅雨のことをさしています。

そして、この五月雨を使った言葉に、「五月雨式」がありますが、梅雨時の雨のように、途切れながらもだらだらと長く物事が続くこと。また，そのようなやり方のことです。さらに、梅雨の頃の雲を「五月雨雲」。

こうしてみると、「五月」がつく言葉は多いものです。その数は、他の月に比べても多めです。

端午の節句にちなんで、五月人形（ごがつにんぎょう）、五月幟（ごがつのぼり）、五月鯉(ごがつごい)のような言葉のほかにも、五月躑躅（さつきつつじ）、五月蠅い（うるさい）などがあります。

サツキはツツジの仲間で、旧暦5月頃に咲くことから五月躑躅（さつきつつじ）と呼ばれるようになったようです。

また、「うるさい」という形容詞には、五月の蠅（ハエ）という漢字があてられますが、今の5月にはハエの姿を見ることはあまりありません。梅雨のころになると次第にハエがうるさくなってきます。あの清少納言もハエについて、にくいもの、かわいげのないものと述べていて、ハエは古代からうるさい、さわがしいものの代表としてとらえられていたようです。
とくに活動を始め出す梅雨のころ、旧暦5月のハエはうるさく、やがて「うるさい」に「五月蠅い」という文字をあてるようになりました。

このように、五月雨、五月躑躅、五月蠅い、に使われている「五月」は、梅雨時期の印象を含んだ言葉として今も残っているのですね。

古くから伝わる日本語で季節を感じ取る感覚を忘れたくないと思う一方、できれば避けたいものもあります。

旧暦とは関係ありませんが、新年度から約1か月が過ぎ、ゴールデンウィーク後に、心身にさまざまな不調を感じることを「五月病」と呼びます。

民間の調査によると、会社員や公務員の二人に1人以上が五月病を経験したことがあると答えました。また、住宅ハウスメーカーが、全国の20代から60代の男女を対象に実施した調査を年代別にみると、20代が43.3%、30代が45.0%と特に高く、50代も3割近くが五月病になっており、年齢はあまり関係ないと言えそうです。

さらに、生活の変化があった直後は特に、五月病になりやすいこともわかったそうです。例年の生活変化に加え、今週から新型コロナウイルス感染症の5類移行で普段より変化が大きな今年は、特に注意したいですね。

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