「乙女」な気分

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ニュース勤務のとき、報道記者が突然声をかけてきました。

「あれ、なんかきょう雰囲気違いますね。前髪おろしたんですか」。確かに、田巻はニュースを読むときは、あえて、少しおでこが見えて大人っぽく(大人ですが)賢くないのに賢く見えるように演出しています。しかしこの日は、たまたま前髪を切った翌日で人形のようでした。

続けて、記者は隣にいたデスクに共感を求めます。

記者「デスク、ほら、田巻さん、きょうなんか『乙女』ですよね」。

デスク「え?いや、いつも『乙女』でしょ~」

大人をからかうんじゃない!と思いながらも、久しぶり、「乙女」という言葉を聞いて、乙女は乙女の気分になりました。「おとめ」を連発されて、田巻の変な癖が出てしまいました。「おとめ」って、なぜ「乙女」って書くのかしら・・・「乙な女」って何?

広辞苑には、

「『をと(若)め(女)』の意。『をと(若)こ(子)』に対する」とあります。

また他の辞典よると、「おと」は、動詞「お(復)つ」=回復する・若返ると同語源で、若々しいの意。本来は「おとこ」に対する語。「乙」は後世の当て字であることがわかりました。

「おとめ」は、もともと「をとめ」と書いていたのですね。語尾の「め」は女性を表し、対義語の男性形は「こ」で「をとこ」。男は「をと」と「ひこ(彦)の『こ』」が合わさったもの。現代の男性を指す「おとこ」も元は「をとこ」。

「をと(若い)こ(子)」で、本来は若い男だけを意味する言葉ですが、その後年齢に関係なく男性一般を指す言葉になったようです。つまり、「男らしい」とは、若々しいということでしょうか・・・「まったく、男っていつまでたっても子どもなんだから」この言葉の真意がなんとなくわかるような、わからないような。

「乙女」の漢字は、「を」と「お」が混同されたことによる当て字とは、紛らわしいことです。ちなみに、海底の竜宮城に住むという伝説上の若く美しい姫のことを?「おとひめ」と言いますが、なんと漢字は「乙姫」です。おとひめは、若くなければならないのですね・・・

「乙女」の辞典での意味は、若い女性、未婚の女性、娘、少女などですが、現在では、単に若いだけでなく、汚れを知らない純真な少女のイメージを伴って「乙女」を用いることも多くなりました。

となると?田巻を少女のようだと言った記者の表現も、まあ間違いではない・・・と受け入れ、乙女な気分になったりして。

さて、2017年10月20日から書き始めたこのメルマガも、今回で5周年をむかえました。いつまでも、気持ちだけは若々しく「乙女」な気持ちを忘れずに取り組んでまいります。引き続き、田巻の修業にお付き合いくださいませ。

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