「おもてなし」は、表無し？

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先週から、大学の授業が始まりました。「ビジネスマナー講座」は前期、後期の通年授業です。

 

 

毎年、約50人の履修生を受け入れてきましたが、今年度は70人近くの学生が履修登録し・・・ありがたいことですが・・・実は・・・困りました。

 

 

コロナ禍で、密を作らないために定員120人の教室は対面60人がマックスだからです。

 

 

他の授業との兼ね合いもあり、教室変更も不可。となれば、とにかく、この授業は厳しい！大変だぞ！なんて少々脅してみたり。ところが、取り消すどころか、初回の感想は、やる気に満ちた言葉ばかりでした。

 

さらに履修条件を厳しくし、なんとか約60人クラスでスタートです。

 

 

と、最近の田巻の近況報告をしながら、またも、隣のお宅におじゃまし、ワインをしこたま飲みました。

 

 

隣のご夫婦は、ただの飲んべぇではなく、言葉遣いに敏感で、いいとこついてくるお二人です。

 

 

田巻と同年代だけに感覚も似ていますが、凝り固まった田巻の頭に、いつもいいヒントをくれるのです。

 

 

先日も、初対面の相手にいかに話してもらうか、隣のおっさん流コミュニケーション術を披露されました。さらに、ビジネスマナー講座の話を聞いたおっさんと田巻の会話です。

 

 

隣のおっさん「いやあ。うちら、マナーとは無縁だからわからないけど、例えば、観光地でも『おもてなし』って言いながら、実は思っていることはあっても、直接の言葉にしないこともあるでしょう？県民性の違いもあると思うけど」

 

田巻「本音と建前的な？」

 

隣のおっさん「そうそう。『おもてなし』って言葉はさあ、『表が無い』ともとれるよね」

田巻「あっ、表無し？」

 

おっさん「そうそう。だから、裏がある！ははは」

 

 

「おもてなし」は、心を持って行為を成す。 「お持て成し （お + もてなし）」のことで、本来、「表なく裏がある」の意味はないわけですが、言葉遊びのような表現も見られます。

 

 

その場合、表面的、建前ではなく、本心でという意味で「表なし」ととらえていることがほとんどです。「表なし裏もなし、誠実正直な心からの接客のこと」のような説明をよく見かけます。

 

表というのは、接客で言うところの「お客様に対する対面」です。表が無いということは、つまり裏ということになります。その対面の姿は「裏の姿」と同じということです。

 

 

裏は、接客で言えば「社員に対する対面」「取引先に対する対面」です。つまり、裏方の人に対する姿勢と、お客様に対する姿勢が根本的に同じであるということです。

 

決して「裏がある」ということではなく、誰にも誠実な企業姿勢。この「表もなければ、裏もない」という表裏一体の姿勢を「おもてなし」と言うのでしょう。

 

しかし残念ながら、隣のおっさんが言いたい「裏」の実態ばかりが目につくことも多いものです。

 

 

また、「表なし」とは、相手に気づかれずに、さりげなく相手のためを思ってする、そして相手も、ある意味でそのことに気づかない心遣いのこととも言えます。

 

 

銀座の有名寿司店の大将は、お客さんがどっちの腕に時計をしているかを見極め、その人が右利きなのか、それとも左利きなのかを判断し、お寿司を出す位置を利き手で取りやすいようにしてあげるそうです。

 

相手はそのことに気づかなくても、何となく食べやすいと思う。これが「表なし」です。

 

 

お客様にこれらの気遣いを気づかれた場合、「サービス」ということです。

 

 

2020年のオリンピック誘致でクローズアップされた「おもてなし」ですが、それももう目前。

 

 

「おもてなし」をしたくても、海外からの観客受け入れはなしとなった今。世界に向けて日本人の心をどう表せばいいのでしょう。

ということで、今回も考えさせられた「隣のおっさんシリーズ」でした。そう言えば、私の名前は裏表がないんですよ。編集後記でどうぞ。

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●○●編集後記　●○●

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旧姓は「大平華月」と申します。縦書きして、線対称で見ると左右対称な名前です。

 

 

表から見ても裏から見ても、「大平華月」どんな人の前でも裏表のない人間にという願いを込めたと父から聞かされました。

 

「田巻華月」となった今、私は裏表があります（笑）

 

 

田巻　華月メルマガ「『人間力』に磨きをかける！」メールセミナー　「1ミリでも前へ！一歩踏み出す勇気とやる気をプレゼント！」をコンセプトに、生涯アナウンサー＆元秘書　田巻華月がおおくりしています。