「ネタ切れ」をネタに・・・

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「メルマガのネタって、どうやって考えているんですか？」先日、読者の方に質問されました。

 

日常で気になることを綴っているだけですが、3歩進むと忘れるので、いわゆる“ネタ帳”に書き留めています。

テレビ番組のコメントや文字スーパーで、“ん？”と思たこと、カフェで聞こえてきた会話でひっかかること、大学の学生の感想、電車のなかの出来事、新聞や本を読んで思うこと、普段の生活のなかには、不思議が溢れています。

 

書き留めたネタを調べて、ネタとして成立するものもあれば、ボツになるものもあります。また季節ネタは、タイムリーに出したほうがいいので、時季外れの場合は半年から1年寝かすときもあります。

 

そうすると、たまに「あ～今週どうしようかな。ネタ切れだ～」ということもあるわけで・・・まさに、今週はその「ネタ切れ」状態。

 

であれば、「ネタ切れ」をネタにしてしまえ！ということで、今週は「ネタ」がテーマです。

 

長年テレビ業界にいると、記事になる情報のことを「ネタ」と言うため、田巻は頻繁に使うのですが、皆さんはいかがでしょうか。

例えば、お寿司の具のことを指す「寿司ネタ」は身近なところでしょうか。さらには「このネタ、おもしろいよね」など、お笑い芸人のギャグやオチを指すのもよく聞く用法です。また、「ネタは上がってるんだ～」など、警察にとって重要な、犯人逮捕のための「証拠（情報）」のことも言います。

 

ネタとは、「生活の種」を意味する「飯の種」などに見られる「種（たね）」の倒置語。いわゆる、逆さ言葉です。

 

江戸時代に、的屋が商品のことをネタと呼んだことに由来するようで、以後、その職業や商売において、核となる商品のことをそう呼ぶようになりました。

 

また、江戸時代には、逆さ言葉が流行し、本来は「寿司種」。その「種」が倒置語になって、「寿司ネタ」という呼称が定着し、現代でも使われ続けています。

 

 

ハワイを「ワイハー」と言うように、ひっくり返して言う言葉は、よく業界用語と言われます。業界用語の「業界」は一般的には芸能・マスコミ関係をさします。

 

 

その他にも、「シースー」→「寿司」、「ザギン」→「銀座」、「ギロッポン」→「六本木」、「ジャーマネ」→「マネージャー」、「マイウー」→「ウマい」など。これらの言葉は、使うことはなくても多くの方が聞いたことがあるかと思います。

 

 

単語を逆さ読みすることで、限られた仲間にしか通じない言葉にして、エリート意識や「カッコいい感」を演出していたのかもしれません。「ザギンでシース―」など、田巻が若い頃は、使っているディレクターやカメラマンが本当にいたのです。

 

 

逆さ読みという言語活動は現代に限ったことではなく、古くからたびたび行われてきたもの。「ネタ」など江戸時代の逆さ言葉の流行が、現代にも残っているのは、興味深いものです。

 

その他にもいろいろあるようですが、例えば、「だらしない」・・・もともとは、「しだらない」が倒置語の「だらしない」となって現代に残ったようです。

 

「ゲンを担ぐ」・・・「縁起を担ぐ」の縁起の倒置語「ギエン」が、いつの間にか「ゲン」に変化して定着。

 

「新しい」・・・「あらたしい」がそもそもの読みで、倒置語の「あたらしい」のほうが定着。確かに、「気持ちを新たに」と言うときの「新たに」は、「アラタ」なので、「新しい」も「あらたしい」と読めますが、倒置語になってしまったのですね。

 

「ネタがない」ことをネタにしたら、おもしろいネタに出合いました。ぜひ、話しのネタにしてくださいね。

 

２０２４年５月、拙著『安心と自信を手に入れる！ビジネスマナー講座』の５刷となりました。心から御礼を申し上げます。

 

拙著『安心と自信を手に入れる！ビジネスマナー講座』をもとに、インスタグラム「ビジネスマナーミニ講座」をお伝えしています。毎週火曜日に更新します。フォローしていただければ嬉しいです。

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