「なんだろっ」って、なんだろう？

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ここ数年、なんだか気になる言葉遣いがあります。春休みに東京から帰省した高3息子と話した際、それがハッキリしました。

「そうだなあ。それって、なんだろ。〇〇じゃね？」「じゃね」も気になりますが、会話のなかで、「なんだろ」と挟むのです。

テレビで話している芸能人やコメンテーターも、若者が中心ですが、最近は中高年にも見られます。「なんだろう」ではなく、「なんだろ」。細かいことをいうと、「ろ」の後に小さな「っ」が入る「なんだろっ」です。

「なんだろっ」って、なんだろう？皆さんは気になりませんか。

「君はこういうことが言いたいんだろ？」という「だろ」のように、疑問に思うことを聞いているわけではありません。「選択肢がいろいろあって迷うけど、なんだろ、どれも、いまひとつピンとこないんだよね」と頭の中で言いたいことを整理する間が欲しいときに入れたり、「それはつまり、どう言えばいいかな」と自問自答するように「なんだろ」は会話に登場します。

世間では気にならないのかと検索してみると、NHK放送文化研究会でも取り上げられていました。そこでは、「なんだろ」を検証した後に、

『語尾を伸ばした「なんだろう」も使っている。少しほのぼのとした感じで，「この手触り，なんだろう，幸せな気持ちになるぅ」とか，「この歌を聞いたら，なんだろう，涙が出そうになる」という具合に，

自分の心のうちを告白するときや，ことばにするのをためらっているときに「なんだろう」は出てくるようだ。』と綴られていました。また、『ほとんど意味がわからないときもある。「わたし，なんだろう，マスクはピンクがよくない?」』とも。

そして、50 代と30 代の女性2人がトーク番組で、「なんか」を連発していて、数えたら、1分半の間に2人で 10 回。別の場面では1分間に11回連呼していたというのです。「なんだろ（う）」と「なんか」は、言葉の使い方が似ていますが、口癖になって頻繁に言うと聞き苦しく、あまりいい印象を持たれないところもよく似ているようです。　　

とそこで我に返ると、確かに、プライベートな友達や家族との会話で、田巻は「なんか」を使っている気がします。「なんだろ（う）」や「なんか」は，それ自体に大した意味はありませんが、会話は相手の表情や気持ちをくみ取りながら話すもの。

NHK放送文化研修会では、『こうした“遊びのことば”は、一緒に「なんだろ（う）」と考えたり、相手の気持ちを想像するのに必要な役割を果たしているのではないだろうか』と、前向きに結んでいました。