台風の名前、誰が決めてるの？

田巻華月メルマガ「『人間力』に磨きをかける！」メールセミナーの内容をブログでは1週間遅れで簡潔にお伝えしています。2018年9月14日配信分のメルマガの内容です。

先週、日本に上陸し多大な被害をもたらした台風21号。ところで、その台風21号の名前、ご存知でしょうか？

その名は・・・

「チェービー」

は？何その名前？ですよね。鹿児島放送時代から、現在の新潟テレビ21でも、ニュースの気象情報の原稿を書いています。皆さんは、台風には〇号以外にそれぞれ名前があることをご存知でしょうか？田巻は毎度名前をチェックしながら、台風情報を書いております。

ちなみに、「チェービー」は韓国語でツバメの意味です。確かに、ビューんと飛ぶように速度を上げたから、ではありません。その名前って、誰がどうやって決めているの？と思ったあなたへ。天気原稿を書いて約30年（笑）の田巻が解説します。

ズバリ！台風委員会が決めています。台風は従来、アメリカが英語で人名を付けていました。しかし、北西太平洋または南シナ海で発生する台風に関する各国の政府間組織である台風委員会が平成12年（2000年）から名付けることになりました。といっても、その都度決めているのではなく、すでに決まっています。台風委員会は日本を含む14か国等が加盟していますが、この加盟国が提案し、140個の名前が1番から140番まで決まっているのです。

平成12年の台風1号に、カンボジア命名で「像」を意味する「ダムレイ」という名前が付けられ、スタートしました。発生順に140個の名前を順番に用いて、また「ダムレイ」に戻るのです。台風の年間発生数は平均26個なので、だいたい5年程で一巡することになりますね。台風21号の「チェービー」は25番目の名前です。

気になる日本が命名した名前は10個あります。（　　）内は意味や由来です。順番で5テンビン（てんびん座）　19ヤギ（やぎ座）　33ウサギ（うさぎ座）47カジキ（かじき座）　61カンムリ（かんむり座）　75クジラ（くじら座）89コグマ（こぐま座）　103コンパス（コンパス座）　117トカゲ（とかげ座）131ハト（はと座）以上です。

あら？全て星座に由来してますね。しかも、なんだかマイナー。なぜ、星座なのでしょう。

台風は海上で発生。そして、海といえば航海。台風被害は上陸してから大々的にその被害が取り上げられますが、一番被害を受けているのは船に乗る方々。そんな船乗りの方々が、昔、航海の基準にしていたのが・・・星座。そんなことから日本は台風の名前に星座を選んだそうです。なぜマイナーな星座なのかは、企業名や商標に使われていない、大人の事情。また、各国での発音のしやすさも考慮されたようですが・・・

海外で、「ヤーギー！」「トカゲ～！」など言われるかと思うと面白いですね。今年の台風14号が「ヤギ」でした。次に登場するのは5、6年後です。

他国の名前は自然に関することや、動物の名前などが多いようです。例えば、韓国のケーミーはアリ。小さいけれど毒を持っているものもいますしね。マレーシアのターファーや韓国のメーギーはナマズの意味。中国のウーコンは、孫悟空の意味。なんとなく、きんと雲をイメージできるような・・・マカオのバビンカは、プリンの意味。う～ん。

現在、世界同時にハリケーンの危機で、2005年の「カトリーナ」超えでアメリカに上陸か、また、台風22号はフィリピン直撃の恐れがあります。ちなみに、台風22号の名前は「マンクット」。これはタイが命名した名前で、意味は果物の女王と称される、あの「マンゴスチン」。う～ん。おいしそう・・・台風の名前一覧は気象庁のホームページで公開されています。

さて、新潟に来てここ8年あまり、台風の大きな影響は記憶にありませんが、台風慣れしている鹿児島人だからそう思うのでしょうか。日本列島で台風が最も上陸しているのは、やはり鹿児島県。高知、和歌山両県が続きます。

鹿児島放送のアナウンサー時代、今のように気象用のパソコンがない時代は夜中に気象台から台風情報を伝えたものです。台風21号は、25年ぶりの非常に強い台風の上陸でしたが、その25年前の1993年台風13号はまさに鹿児島県に上陸しました。車で会社に向かう時、目の前で電柱が倒れたことを思い出します。