なぜ「名紙」ではなく、「名刺」?

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3月も本日で終わり。本当に早いものです。新年度を前に、慌ただしくお過ごしの人も多いでしょう。

 

新社会人の皆さんは、入社式を前に、期待と不安が入り混じる時期かもしれません。すでに、ひと足早く入社式が終わった企業もあるようです。

 

思い起こせば、30年以上昔、社会人になったと実感したのは、入社式で名刺をもらった時でした。鹿兒島放送の会社名に、報道制作局、そしてアナウンサーの肩書き。ビジネスには欠かせない情報が詰まった名刺ですが、そこに書かれてはいなくとも、「責任」という二文字が刷り込まれている気がします。

 

 

今日の日本では、1日に約3,000万枚もの名刺が流通し、年間消費量は100億枚と言われています。
また、「社会人になってから今までにもらった名刺は何枚?」というアンケートでは、一人当たり1,383枚の名刺をもらっていることがわかったそうです。

 

 

フリーランスになってからは、名刺に、出版した本の表紙をデザインするなど工夫を凝らしています。その名刺をじっと見つめながら、改めて思ったのです。名刺は、名前を刺すと書きますが、名前の紙で「名紙」のほうが合っているのでは?そんなことを思ったことはないでしょうか。

 

ネットの情報を読んでみると、名刺の由来を、訪問の際に名前と用件を記入した竹片や木片を持参し、相手が不在の場合、門前の箱や扉に「刺して」いたからと書いているサイトが多く見られました。

 

しかし、新潟大学の関尾史郎名誉教授は、NHKの番組「チコちゃんに叱られる」で解説した際、それは違うと断言しています。

 

 

辞典を引いてみると、いとも簡単にその答えがわかりました。

めい‐し【名刺】 (昔、中国で竹木を削ってこれに姓名を記したものを「刺」といったところから)小形の紙に姓名・住所・職業・身分などを印刷したもの。訪問・面会その他、人に接する場合に用いる。「―を交換する」

 

 

名前を「刺す」わけではなく、書いたものそのものを「刺(し)」と呼んだのですね。もう少し詳しく調べてみると、中国では訪問した相手先が留守だった時に、木や竹を薄く削って名前を書いたものを残してくる習慣があったそうです。

 

 

名前を書いたその木や竹を“刺”と呼んでいたことから、その名残で、紙に名前を印刷したものにも“刺”という漢字が使われるようになったと言います。

 

 

世界で最も名刺を使用する国と言われる名刺大国である日本が発祥ではなく、ルーツは中国にあったのです。

 

関尾名誉教授によると、2000年以上前に中国で誕生し、3世紀頃の中国の墓からも発掘され、木の板には名前・本拠地・挨拶文が書かれていたといいます。そんな木の板を何枚か持ち歩き、人と会ったときに渡すという習慣が既にあったそうです。

 

 

 

そして、古代中国では「刺」には「書く」「書かれたもの」という意味があり、中国の辞典には、「刺」という字に書くという意味が書かれているそうです。つまり、「名前を書いたもの」ということで「名刺」と呼ばれ、紙の製法が10世紀頃に確立されるとともに名刺も木から紙へ変化。江戸時代に日本にも伝わりました。

 

 

江戸時代は、和紙に墨で名前を書いたものだったようです。来訪を知らせたり、地位のある人への取り次ぎ要請する目的などもありました。

 

 

伝わってきた名刺文化は幕末になる頃には活発になり、明治時代には名刺交換文化が日本中に広まったそうです。

 

もともと名刺は手渡しするものではなく、名刺盆の上に小袱紗を敷き、その上に名刺をのせて交換していたそうです。現代は名刺盆の代わりに名刺入れを使うと礼儀にかないます。名刺入れは単なる収納グッズではないのですね。

 

幕末の海外交流をきっかけとして、現在の名刺交換が始まっているかと思うと、少々大袈裟ですが、歴史的重みを感じます。

 

名刺交換の基本などは、拙著『安心と自信を手に入れる!ビジネスナー講座』に詳しく書いていますので、新社会人や指導者の皆さんのお役に立てれば幸いです。

 

 

 

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