マルハラ?

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『サラダ記念日』などで知られる歌人の俵万智さんが、今年2月8日、自身の「X」で「句点を打つのも、おばさん構文と聞いて…この一首をそっと置いておきますね~」としたうえで、次の句を投稿しました。

 

 「優しさにひとつ気がつく ×でなく○で必ず終わる日本語」

 

ああ、さすがだなと思った田巻です。

 

「マルハラ」という言葉をご存じでしょうか。「マルハラスメント」のことで、LINEなどで中高年から送られてくるメッセージの「承知しました。」「連絡ください。」といった文末につく「。」(句点)を、若者は威圧的で「怖い」と感じるというものです。

2月に一部メディアが配信した記事が議論を呼び、ネット上で話題になりました。その後情報番組などでも取り上げられています。なかには「句読点を多用するのは『おばさん構文』」との声も。これに反応したのが、先ほどの俵万智さんです。

 

メディアが配信した内容は、ガラケーでメールを使用していた中高年は一般に文章が長く、読みやすくするために句読点が多くなる。一方、若者はチャットのようなリアルタイムでのやり取りが当たり前のため、句点を使用する機会が少ないとのこと。  

対策として、若者とやり取りする際は、句点を使わず、代わりに「!」や笑顔の絵文字をひとつ付けるとよいとしています。  

 

なぬ!なんですと!?

文末の句点を避けてまで、中高年が若者に合わせるべきなのでしょうか。

 

改めて、俵さんの一句。

「優しさにひとつ気がつく ×でなく○で必ず終わる日本語」

 

 

文末の「。」を、「まる」か「バツ」かの「まる」と考えたこともありませんでしたが、確かに、まるって優しい・・・不快にならない終わり方です。

 

キャスターの小倉智昭氏は、テレビ番組でマルハラに言及し、「俺は正しい日本語で句読点を打って丸をつけたりするのに。そこを『ww』(わらわら)にしろって?ふざけるな」とぼやきました。

登場した当初のSNS上の書き込みでも、「それが社会の常識ではない」という否定的なものが大半だったことにホッとしました。20代の若者たちも、「仲間内だけの話。仮に友達からのメッセージに『。』がついていたとしても、『この人普段から作文みたいなかしこまったメッセージを書く人なんだ』で終わるので『マルハラスメント』だとかは思いません。メディアが勝手に拡大解釈して言っているだけ」と指摘しています。

 

またもネット情報に踊らされた感が否めませんが、SNSの普及やコロナ禍の影響などで、連絡、コミュニケーションでストレスを感じている人が多いことは事実です。ビジネス用チャットツールについて、20代、30代を対象に実施した調査結果では、在宅勤務時での連絡・コミュニケーションでストレスを感じることがあるかという質問に、「ややある」を含め、72.9%が「感じる」と回答。その相手の1位は上司(57.4%)で、理由の1位は「テキストでニュアンスが伝わらない」(54.5%)です。

 

 

「マルハラについては、そのことを気にする前に、まずは組織でいかに円滑にコミュニケーションを図るかを考えることが大切だと考えます。昭和と令和のギャップをテーマにしたドラマも増えてきましたが、上の世代は適宜、状況を見極めながら自分をアップデートする必要があるでしょうし、下の世代も聞く耳を持ち、自分が感じたことが果たして他の人はどう感じているのかまで考えを巡らせるよう意識することも大事でしょう。

お互いが歩み寄る姿勢でいれば、結果的に、それは組織全体のアップデートにもつながっていくのではないでしょうか。

 

ところで、田巻が大学で担当している「日本語表現法」や「ビジネスマナー」の授業では、句読点についても指導しています。読点「、」を打つ場所によって意味が変わる場合もあり、適当に、なんとなくの感覚で打ってきた学生たちは思ったよりも苦戦します。

また、特に格式を重んじる文書には、句読点を打たない場合もあることも伝えます。重要な挨拶状や案内状、賞状には句読点を使用しないのが一般的です。例えば、年賀状などもそうです。冠婚葬祭の文章や感謝状、賞状、証書などの礼儀を重んじる文書でも、原則として句読点は使われていません。

 

句読点の使用を避ける理由は、主に二つ挙げられます。一つ目は「区切りをつける」という意味になるためです。   

文章の区切り・終わりを表す句読点は、縁を切る・終わらせるとの意味につながるため、「区切りをつけない」ということです。

二つ目は相手に敬意を表すためです。句読点は文章を読みやすくするための符号ですが、使わないことで「あなたは句読点がなくても文章を読める、教養がある人」 という敬意表現になります。

 

和歌や俳句は原則として句読点を付けないのが決まりですね。文章は、内容を理解し言葉を理解できる人が読めば、どこが終わりか分かるといった昔は上流階級のみが文字を使えたという歴史的背景が関係しています。

 

学生たちの感想には、以下のような驚きと気づきが寄せられます。

・過去に貰った賞状を見返してみましたが、確かに全て句読点はありませんでした。賞状だけでなく資格試験の合格証にも句読点がないものがありました。特に面白かったのは英検の合格証明証で、日本語記載部分には句読点がなく、英語記載部分にはカンマもピリオドも使用されていました。日本人は何かと縁起を重視する生き物なのかもしれません。

 

・入学式や卒業式などの時に届いた祝電やお祝いのメッセージが校内の廊下などに掲示されていました。その時に、文章に句読点の付いていないものが多くあったことを覚えています。

 

一周回って、句読点を付けない若者たちが、SNSの文章を格式を重んじている・・・と思うか思わないかは、あなた次第です「。」

 

 

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