ポジティブ男子の名言⑳「虚数と同じように・・・」

田巻華月メルマガ「『人間力』に磨きをかける！」メールセミナーの内容をブログでは1週間遅れで簡潔にお伝えしています。2018年8月17日配信分のメルマガの内容です。

お久しぶりの中2ポジティブ男子の名言です。

反抗期真っ只中の中学男子。その理解できない言動に振り回される毎日ですが、考えさせられることも多く、子育ては「学び」と「気づき」と「忍耐」です。

夏休みに入ってすぐ、担任の先生との面談がありました。息子抜きなので、田巻としては言いたい放題です。先生から、彼にどうしても聞きたいことがあると見せられた紙には、息子の決して綺麗とは言えないアンバランスな文字が並んでおりました。1学期の最終日に、自分自身を振り返り、また今後の目標などをクラス全員が各自、漢字一文字で表したそうです。先生がなぜか嬉しそうに？少しもったいぶって見せてくれたそこには・・・

「虚」

虚？　漢字で表すと虚？　虚しい？　む・な・し・い？あわわわわわ・・・難しい年頃の13歳の心を虚しいものにしてしまった母。日頃から言い過ぎたことを、一瞬反省いたしました。

先生が続けます。「虚しいではないんですよ。これ、きょすう・・・『虚数』の『虚』なんです」

えっと、虚数って何でしたっけ？まるで1度は理解していたかのように聞いてみます・・・いや、聞いたこともないような・・・もはやその記憶すらありません。

先生「高校数学で出てくるのですが、簡単に言うと存在しない数ですね」

田巻「はぁ」

用紙の中央に「虚」端に、小さな文字で、こんな文章が書き添えてありました。「虚数と同じように、想像して行動したい。」

？×？　田巻、眉間にシワが寄りました。

なぜ虚数を知っているのかも含め、このように考えるようになったその背景が知りたいと、なんだかワクワク感すら見せる先生。

「虚数」を辞典や数学関連の本で調べてみると、このように説明されています。「虚数とは、２乗するとマイナスになる数のことで、英語では “imaginary number”(想像上の数)といい、特に２乗すると－１になる数のことを“ｉ”と書く。」

？？？？？×？？？？？ｉは、imaginaryの頭文字・・・と想像しました。正解でした。

説明の続きです。「これに対して、整数や０、負の数、分数、少数、無理数などこれらは全部『実数』で、英語では〝real　number”（現実の数）といいます。実数は２乗しても決してマイナスにはなりません。」

このメルマガの読者には、理数系の得意な方や大学や学習塾の先生方もいらっしゃいます。何か補足をしたいことも多くあると思いますが、我慢してくださいね。何しろ、田巻、説明すらあまり理解できませんの。他にもいろいろ調べてみたのですが、余計にわからなくなる始末。試しに皆さんも、手っ取り早くネット検索してみてください。

とにかく、存在しない想像上の数。想像です。想像。その想像上の数である虚数のように、想像して行動したいとは・・・

担任の先生の見解はこうです。虚数とは、存在しない想像上の数。数式のなかで想像するように、友達や人との関係も相手の気持ちを想像して行動したい・・・ということではないか。

はあ。漢字一文字を前々から考えておく宿題ではなく、空き時間5分程で書いた答えらしく、出たとこ勝負で書いた文字に意味があるのかないのか。結局、帰ってから息子に恐る恐るたずねてみました。先生の考えを告げると、あっさりと認めこう話しました。

「ただ、勉強する『学』とかありきたりで面白くないから、想像することを『虚数』に例えてみただけ。友達の気持ちとか、人とのコミュニケーションは目には見えないけれど実在する。見えないけれどあるものを想像して、人間関係を作っていきたいということだよ」

中学生になってからの彼は、それまでの笑いをとるような人懐こい雰囲気から、クールな男子になっていきました。思春期特有の成長でしょうけれど、たまにそのクールな雰囲気は、心では優しく思っているつもりでも、友達に誤解を与えることも。

以前からそれを私から指摘され、彼は彼なりに何かを考えていたのかもしれません。

田巻が社会人研修でいつもお伝えしている「マナー」についてと共通している部分があります。マナーとは、「相手や周囲の人に不愉快な思いをさせない気遣いや心配りのスキル」相手に嫌な思いさせない最低限のルールと言ってもいいでしょう。1番忘れはならないのは「相手」。大切なのは、相手の立場に立つこと。安心していただく、喜んでいただくなど、相手中心に考えることが出来るかがとても重要です。そして、こんな言動をすると相手がこう思うのではないか、という想像力も大きな手助けとなるでしょう。過去の経験を生かして先を読む力が大きいように思います。他者への想像力を働かせることは、社会人としての常識です。

なんだか、想像つながりで虚数の意味がほんの少しだけ見えてきたような気がします。ちなみに、彼が「虚数」と出会ったのは、「ビッグクエスチョンズ数学」という愛読書。

きっと、難しい本を読んでいる自分に酔っているに違いありません。今はまだ参考書の受け売りかもしれませんが、彼が彼なりの答えを見つけるのは、いつの日か。想像を超える日を待ちたいと思います。