ノックは何回?

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大学の授業が始まって、3週間あまりが経ちました。通年のビジネスマナーの講義です。初回授業で一人の学生に、一度教室を出て、廊下からドアをノックして入ってきてほしいとお願いしました。

その学生は3回ノックをし、「はい、どうぞ」と声をかけると、「失礼いたします」と言って入室しました。「どうぞと言われて入るのも正解、さらにドアのノックの回数も正解です!」と言うと、約70人の半数がキョトンとしていました。ドアのノックは何回かと尋ねると、3回と2回がほぼ半数だったのです。

正解した学生に、なぜノックは3回かと尋ねると、予想どおりの答えでした。「就職の面接練習で指導していただきました。2回と3回の理由はわかりません」

皆さんはご存じでしょうか。2回はいわゆるトイレノックと言われる確認のノック。3回はそれ以外の場で行うノックで、日本のビジネスシーンの入室などはこの3回が一般的です。

ここまではご存じでも、それって、誰が決めたの?と思いませんか。外務省のホームページを見ると、「プロトコールとは」と説明があります。そこには、「国家間の儀礼上のルールであり、外交を推進するための潤滑油。また、国際的・公式な場で主催者側が示すルールを指すこともある」とあります。

プロトコールとは、「国際儀礼」「世界標準公式マナー」と訳され、もとは国家元首同士の会談などでの公的な儀礼を指す言葉でしたが、国際的なマナーなエチケットの総称としても用いられるようになりました。世界中の人々が文化や宗教の違いを超えてスムーズに交流できるように定められたいわば、世界の共通ルールです。

このプロトコールマナーに、ドアのノックの回数も正式に定められているのです。状況に応じた正しいノックの回数が次のように決められています。

・2回 トイレでの確認。
・3回 家族、友人、恋人などの親しい相手。
・4回以上 初めて訪れた場所や礼儀が必要な相手。

国際儀礼によれば、面接時の入室の場合は、4回ということになります。実際、欧米の外資系企業では、4回が主流となっているようですが、4回以上は耳触りかもしれないという配慮から、日本のビジネスシーンでは、ノックは3回が浸透しています。

初回授業では、この国際プロトコールについてはあえて触れず、どのような感想が出るか反応をみました。多くの学生が、今知ることができてよかったと書いていました。しかし、一人だけ、このような感想があったのです。

「ドアのノックは何回か?という問いに私は2回と答えました。 私は本来3回すべきと知っていてあえて2回にしています。ドアのノックの回数で不快に思う事はまずないでしょう。そもそも、頭の固いマナー講師が勝手に作った独自のマナーだと思われます。そういった意味のないマナーを増やすような無能なマナー講師がこの社会を狭く窮屈なものにしているのではないかと思います。マナーが他人のためであるなら丁寧な言葉遣い、配慮といったようなマナーは大事にすべきだと思いますが、『ドアのノックが』といったようなマナーは悪い文化だと考えていますが、私のマナーはよろしくないですか?」

頭の固い、無能なマナー講師などの表現は挑戦的ではありますが、疑問に思うことは大正解です。しかし、この学生が、なぜそうなのかを調べずに終わったことは残念です。

翌週の授業でこの感想をとりあげ、国際プロトコールについて説明すると、この学生の感想に、すっかり反抗的な文字はなくなりました。加えて、多くの学生が「教えられたから、テキストに書いてあるから」ではなく、なぜそうなのかを知ること、疑問に思ったことを調べることが重要であることにも気づいたようです。

日本はもともと障子や襖の生活様式だったため、ノックの習慣はありませんでした。ドアは欧米などからきたもので、そのドアに付随するのがノックというマナー。ノックは「今から入ってもいいですか?」「これから入ります」というサインです。返答が無ければ、基本的には入ってはいけないということになります。

たまに、ノックと共に入ってくる人もいますが、回数にこだわり過ぎて、本来の意味や目的を忘れないようにしたいものです。田巻も、無能なマナー講師と言われないように、日々精進いたします。

拙著『安心と自信を手に入れる!ビジネスマナー講座』は、お陰様で重版しました。3月3日に電子書籍も発売になりました。本を持ち歩かなくてもいいので、とても便利というお声をいただき、ありがたいことです。ご自宅や会社に紙面で一冊、更にkindle版もいかがでしょうか。

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