貸し切り?借り切り?
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先日、テレビコマーシャルの裏側を紹介する番組で、CGを使っていないのに凄いと思わせた、昭和時代のCMが取り上げられていました。
車のCMでは、激しいカーチェイスなど、こんなことが本当にできるのか疑いたくなる作品が続々に紹介されました。
車がパリの地下鉄の階段を下り、電車待ちの乗客のそばを走り抜けて再び地上に出る作品が紹介されたときのことです。
「プロのスタントマンが実際に運転し、駅を貸し切って撮影を行ったそうです」と説明されました。
田巻の心の声です。
駅を貸し切って?ん?制作者側が駅を「借りて」という意味だけど、「貸し切る」のは、駅側・・・これって、借りる方の立場で言うなら「借り切る」という言葉が正しいのでは・・・そもそも、「借り切る」という言葉はあまり馴染みがないから違和感はあるけれど・・・
ふと、そんなことを思い、辞典を引いてみると・・・「借り切る」の説明には、個人や団体で乗り物・場所などを、ある一定期間専用に借りる。とあります。
改めて、「貸し切る」「借り切る」を見直してみると、「~切る」は「すべておこなってしまう」ということを表す言葉です。例えば「食べ切る」「覚え切る」は、「すべて食べてしまう」「すべて覚えてしまう」という意味です。
となると、「貸し切る」は、すべて貸してしまう。「借り切る」は、すべて借りてしまうということです。
例えば、「店を貸し切って」という表現。
「店がお客さんたちに対して、店舗すべてを『貸す』」というような状況で発せられたのであれば、
「店を貸し切って、記念パーティーをおこなう」と言ってもなんら差し支えありません。
しかし、自分が客の立場なのであれば、「貸し切る」ではなく「店を借り切って、記念パーティーをおこなう」と、本来は言うべきでしょう。
「借り切る」という言い方は見聞きしたことがない、という方もいるかもしれませんが、やや古い小説などでは頻繁に用いられているようです。
夏目漱石『思ひ出す事など』では、『森成さんと雪鳥君と妻とが前後して東京から来てくれた。そうして裸連のいた部屋を借り切った。その次の部屋もまた借り切った。』
谷崎潤一郎『旅のいろいろ』には、『毎年神戸の西洋人の夫婦の人が、子達をつれてこられます。いつもこの二階を全部借り切って…』
NHKが、時代と共に変化した「借り切る・貸し切る」について調査をした結果、近年、「借り切る」という言い方は、特に若い年代においてあまり支持されていない傾向が確認されました。若くなるほど、「『借り切って』という言い方はおかしい」という回答の占める割合が大きくなっています。
それを受けて、NHKでは、「『貸し切る』という言葉の意味を考えると間違った言い方とされてきましたが、現代では、俗な言い方であるという段階を過ぎて、もはや普通の言い方として位置付けてもかまわないくらいになっている」と解説しています。
また、三省堂国語辞典では、「貸し切る」の項目の俗用として「借り切ること」を載せています。借り切ることの例文として「すし屋を貸し切っての宴会」と出ているので、「貸し切り」に軍配が上がったと言えるでしょう。
しかし、一つの言葉が、貸す側と借りる側の双方から反対の意味で使われるのでは困る場面も出てきそうです。
借りる側からの書き方としては、「店を貸し切る」「店を貸し切って」よりも、「店を貸し切りにする」「店を貸し切りにして」を使うほうがいいのではないかと考えます。
さて、田巻が所属する日本秘書クラブ関東支部の新潟地区では、この連休中に、新潟の地酒と食を楽しむ会を開催します。
日本酒が美味しいお店を借り切って、貸し切りにして開催します。
どちらも言ってみました。
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