傘かしげ

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先日、仕事で上京した時のことです。地下鉄の赤坂見附駅で降りて、目的地までの道のりを歩いていました。飲食店などが立ち並ぶにぎやかな通りですが、お昼時ともあって、多くの人が行き交っていました。

その日は朝から雨が降っていて、皆、傘を差して歩いていました。そのあたりの歩道は狭く、すれ違う時は必ず傘同士がぶつかる距離です。中にはそれを避けて、車道にはみ出して歩いている人もいます。田巻は、スーツケースが通行の邪魔にならないように引きながら、傘を差し、歩道を歩いていました。

 

 

歩き始めてすぐのことです。前から歩いてくる女性がいたので、すれ違う前に、田巻はすぐに相手とは反対の方向に傘を傾けました。

 

 

 

前から来たその女性は、田巻と一瞬目が合ったのですが、普通に傘を差し、そのまま通り過ぎていきました。女性の傘のしずくが、田巻の肩に落ちたのは言うまでもありません。

 

田巻が傘を傾けたのは、「傘かしげ」と言われる江戸しぐさですが、ご存知でしょうか。雨や雪の日に、狭い路地で傘を差してすれ違うとき、傘の先が相手に当たったり、落ちたしずくで濡らさないように、お互いの傘をサッと人のいない外側に傾けるしぐさです。

 

「傘かしげ」は、江戸しぐさの精神をわかりやすく示す代表的なしぐさです。NPO法人「江戸しぐさ」によると、「江戸しぐさ」とは、江戸商人のリーダーたちが築き上げた行動哲学で、人間関係を円滑にするための知恵だそうです。

 

 

工夫を重ねて磨き上げてきた人付き合いのノウハウは、「カッコいい庶民の美学」と言ってもいいでしょう。

 

 

この「江戸しぐさ」は、テレビCMや駅のポスターなどで紹介されたのがきっかけになり、小学校の道徳の教材や企業研修など様々な場面で取り上げられるようになったそうです。

 

 

しかし、「江戸しぐさ」自体、実際の江戸時代ではなく、現代人が現代人のためにつくったマナーだと、歴史研究家による批判本が出版されるなど、真意はわかりません。いずれにしても、相手を思いやる様々なマナーがあるため、田巻は日頃から目を通しておりました。

 

相手にしずくがかからないように傘を傾けるなど、広い道ではなかなか経験できないため、田巻の社会実験の始まりです。

その後、すぐにビジネスマン風の男性と数人すれ違いましたが、田巻が傘を傾ける前に、傘を差している手を高くあげたのです。田巻の傘の上に傘を差すような雰囲気です。確かに傘はぶつかりません。

 

 

田巻は、相手の様子にあわせて、逆に少し傘を低くして会釈をしながら通り過ぎました。

 

このような「往来しぐさ」は、どちらか一方ではなく、両者が共生の精神を持って気遣い合って成り立ちます。「傘かしげ」も、ただ、傘のマナーではなく、それは相手への「思いやり」と、無用なトラブルを未然に防ぐ危機管理でしょう。

 

ちょっとした思いやりの気持ちを行動にうつせば、もめ事も減ります。健全な人間関係のなかで商いを行うことで生活が潤い、それは社会全体の経済の潤いにも繋がります。

 

 

争いのない豊かな社会の形成が、やがて国の平和に繋がることを、江戸商人のリーダーたちは悟っていたのでしょうか。

 

傘ではなく、首をかしげたくなるようなマナーの悪さもあちこちで見られます。小さな思いやりが、大きな平和に繋がることは、現代も変わらないと思います。

 

 

きょうは全国的に不安定な空模様ですね。傘を差す機会に、「傘かしげ」の精神を思い出してみてくださいね。

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