〇〇感

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ラーメンのテレビコマーシャルのコメントです。食のアドバイザーに扮した芸人さんが言います。

「正直言うと、満足感はないです。だって、満足なんだもん。足もいらないだろう。満でいいだろう」

 

ふ～ん。妙に納得してしまいました。さすがに、満！の一言だけでは無理がありますが、若者が生み出しそうな表現です。もしかしたら、私が知らないだけで使われているのかもしれません。

 

 

お腹いっぱいになって、「あ～。まんぞく～」か、「あ～満足感半端ない～」同じことを言っていても、満足と断定するのか、満足な感じがすると言うのか・・・

 

「〇〇感」と言葉の後ろに付ける表現は、接尾語として、「〇〇な感じ」の意味を表します。そして、その表現は私たちの生活のなかでも頻繁に使われます。

 

存在感　爽快感　高揚感　悲壮感　圧迫感　解放感　幸福感   孤独感　臨場感など「感」が付く言葉はもともと多く、ものの様子を表す言葉などにも付き、ザラザラ感　すっきり感　などもよく耳にします。　

 

 

「感」は使わずに断定するのか、それとも、「感」を付けて曖昧なニュアンスを残して表現するのか・・・

 

断定する表現が難しく、「感」を付けたほうが相手に伝わる場合もあります。しかし、何でもかんでもつければいいというわけでもありません。

 

 

NHK放送文化研究所でも、この「感」について取り上げていました。そこには、聞いたこともない表現があるではありませんか。

 

ネット上のつぶやきで、「セミ感がある」という表現を見つけたという記事です。「セミ」は昆虫の「セミ」。ただジージーうるさい感じの「セミ感」ではなく，時間をかけて準備をしたのに、日の目を見たのは短い期間だったといういわば、はかない感じの「セミ感」だったそうです。

 

なかなかユニークなセンスですが、「感」が付く言葉は驚くほど数が増えているようです。他にも、最近は、「彼氏感のある俳優」「スイーツ感があっておいしい」といった使われ方も目にすると。

 

NHK放送文化研究所では、これほど「〇〇感」がもてはやされる理由をあげていました。まずは、文字数の少なさ。「彼氏っぽい感じがする」とするより、「彼氏感がある」とするほうが短く表現でき、ネットでつぶやいたりスマホでメッセージを送ったりするときに使い勝手がいい点。

 

また、「感」をつけることで生じる「直接的でない感じ」も使いやすいのだろうと予想していました。また、職場などオフィシャルな会話などでも「〇〇感」は増殖中で、実際に使われている例として、

「皆さんの夏休みのスケジュール感を教えてください」

「予算感は，だいたいどれくらいを考えていますか」なども挙げられていました。これに関しては私は聞いたことがありませんが、皆さんはいかがでしょうか。

 

「それぞれ『スケジュールを教えてほしい』『予算はどれくらいか』という表現に比べると、『感』をつけることで少し曖昧な感じになり、聞きにくいことも聞きやすくなる。これは，相手との関係をなるべく良好に保とうとする現代社会における一種の配慮表現なのだろうか?」と結んでいました。

 

いや、そのままストレートに聞けよ！と、ツッコミたくなります。

 

「〇〇感」について考え出すと、もう少し、納得感がほしいところですが、あっ、訂正します。納得できる答えがほしいところです。今週は、明快に書けず、敗北感です。・・・負けました。

 

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