佳境【田巻メルマガ】
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ありがたいことに、新規の講演や研修のご依頼をいただくのですが、現在、半年近くお待ちいただいています。そんな状況のなかで、会食にもお誘いいただくことが多くあります。
お酒を飲むのも大好きなので、喜んでお受けしたいのですが、多くの締め切りをかかえている状態でお受けすると、首を絞めまくってしまうので・・・2か月ほど後になることもよくあります。
先日もあるお誘いを受けたのですが、現在執筆中の本の原稿の締め切りが今月末で、もしかしたら、間に合わないかもしれないくらいギリギリの状況。そんななか、つい、「執筆がいよいよ佳境で」と書きそうになり、おっと危ないと書き直しました。
田巻は「佳境」を「忙しい」という意味で使おうとしていました。「佳境」をどのようなときに使っているでしょうか。
辞書には、
1興味を感じさせる場面。「話が佳境に入る」
2景色のよい所。「県内随一の佳境」
とありますが、いかがでしょうか。逆に、このような使い方をしている人のほうが少ないように思います。
1をさらに詳しく言うと物語や物事が進行し、最も面白く興味深い場面や、最高潮に盛り上がるところを指すということで、例えば、物語がクライマックスに向かって盛り上がっている状態や、スポーツで試合が一番白熱している状況などを「佳境を迎える」「佳境に入る」と表現します。
ところが、近年は、「柿の出荷作業が、佳境を迎えています」のように、単にピークの時期を指して「佳境」という言葉が使われることがあります。「案件が佳境に入り、疲労困憊」など、「忙しさがピークを迎える」という意味で使うことも同じで、本来の意味を踏まえると、誤用ということになります。
しかし、よく聞く言い回しなので、辞書にも、「1は、普通、物語や演劇などの興味深い場面をいい、『佳境に入る』などの形で使うが、最近、『年賀状の仕分けが佳境』のように、ある状況の頂点、最盛期をいう使い方が目立ってきている」と補説が登場しました。
肯定も否定もしていないので、完全に間違いとも言えませんが、本来の意味を踏まえると、違和感をもつ人がいるため、やはり使い方には注意が必要です。今後どのようになっていくのでしょうか。
佳境がふさわしくない場合は、「ピーク」「大詰め」「ヤマ場」といった別の表現を使おうと思っております。
さて、本日の内容に、佳境はあったでしょうか・・・
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