「悴む」季節
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新潟市内は、今月2日に初雪を観測しました。今週も全国的に冬将軍が到来し、「悴む」ことも多くなりました。
「悴む」と漢字で書くと、見慣れないのではないでしょうか。しかし、冬にはよく使う言葉です。
「悴む」は、「かじかむ」と読みます。と、偉そうなことを言ってしまいましたが、田巻も漢字変換して初めて知りました。
辞典で「悴む」を引くと、
・《古くは「かしかむ」》寒さのため手足が凍えて思うように動かなくなる。
・寒さのために手足が凍えてうまく動かなくなる。
などと書いてあります。なぜ、寒さでうまく動かないことを「かじかむ」と言うのか、不思議に思いました。
私たちが普段使っている意味ですが、なかには、これ以外の意味をのせているものもあります。そこにヒントがありました。
もう一つの意味は、生気がなくなってやせおとろえる。疲れ痩せる。「悴」は、一文字ではあまり馴染みのない漢字ですが、「憔悴(しょうすい)」と書けばその意味も納得です。
これがなぜ、寒さでうまく動かないという意味になったのでしょう。寒さで手足が縮こまり思うように動かない様子が、飢えや病でやせ細った人々の動作に似ているからとも言われているようですが、定かではありません。
「悴」という漢字の音読みは「すい」、訓読みは「やつ・れる」「かじ・かむ」「せがれ」です。「やつ・れる」には、納得です。ところで、「せがれ」とは!?
古い言葉で「息子」という意味の、あの「せがれ」です。これには少々驚きました。
「せがれ」とは、
(1)自分の息子のことをへりくだっていう語。
(2)子供や年の若い者をぞんざいにいう語。
語源由来辞典によると、以下です。
「せがれ」は室町時代から見られる語で、古くは女子に対しても用いられた。せがれの語源は、「やせがれ(痩せ枯れ)」の略といわれる。「痩せ枯れ」に由来するのは、中国戦国時代、楚の政治家で詩人の屈原の『漁父辞(楚辞)』の中に「顔色憔悴し、形容枯槁す」とあり、「憔悴」を「やせ」、「枯槁」を「かれ」と読んだことに基づく。そこから、自分の子を卑下して「やせがれ」と言い、「や」が略されて「せがれ」になったというものである。
「かじかむ」が、まさか、「せがれ」と同源とは。まだまだ知らないことばかりです。田巻の修業は続きます。
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