「御侍史」と「御机下」

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会社員時代からの慣例で、毎年3月に人間ドックを受けています。2、3年に1度は精密検査となり、大腸、胃、子宮、乳がん検診など、何かにひっかかっては受診した病院で再検査をします。

 

たまにその場でポリープを取ることもあれば、特に問題なしでほっと胸をなでおろすことがほとんどです。

 

ところが今年、これまでとは違うもので精密検査となりました。LDLコレステロール、 いわゆる、悪玉コレステロールです。まさか!コレステロール値が高めでも、がん検診以外で精密検査になるとは思ってもみませんでした。

 

まずは人間ドック全体の検査結果を聞きに行きましたが、その病院で血液検査をしてもらえるのかと思えば、紹介状を渡されました。

 

大きな病院よりも、主治医、もしくは町の内科で診てもらって、数値の変化をみたほうがよいと。担当医は、そこまで深刻なことは言わず、「その前に体重を落として、ウォーキングなど運動を続けて検査に行くと数値の変化がわかるので、頑張ってくださいね」(ニコリ)

 

紹介状の封筒には、「担当医先生御侍史」と書かれていました。出た!御侍史!と田巻は心の中で思いました。医療関係者でないと、なかなかこの表現を目にすることはないため、少々、感動すら覚えました。(下の写真は田巻が実際に受け取った紹介状)

「御侍史」という言葉をご存じでしょうか。

田巻が初めてこの言葉の存在を知ったのは、昔、全国麻酔科学会の司会をした際のこと。その後、医師になった友人とのやり取りにもこの言葉が使われ、医療業界の独特の表現の詳細を知りました。

 

「御侍史」と共に「御机下」という言葉もあります。本来は「侍史」・「机下」が正しいようですが、現在では、「御侍史」・「御机下」も広く受け入れられている状況のようです。

 

これは、紹介状や医師宛ての手紙などで使用する言葉です。医療業界ならではの宛名の作法の一種であり、看護師さんや医療事務として働く方は押さえておきたい用語といえます。御侍史の読み方は「おんじし」または「ごじし」、御机下は「おんきか」または「ごきか」です。

 

どちらも、手紙の「脇付(わきづけ)」として使われます。脇付とは、手紙の宛名に添え、手紙を出す相手に敬意を表す際に使用する言葉です。どちらの言葉も役割は一緒ですが、意味合いが異なります。

 

御侍史は、「先生に直接渡すのは恐れ多いため、あえて侍史に手紙を渡します」という意味の言葉です。「侍史」とは、昔の偉い人の下で、秘書のような役割を果たしていた人を指します。現在の医療分野でいえば、医師の秘書や医療事務の方などが該当する言葉です。御侍史には「侍史を通して、手紙が来たことだけ医師に伝わればよい」というニュアンスが含まれますが、実際には手紙は本人にきちんと届くことになります。

 

御机下は、「先生に直接渡すのは恐れ多いため、あえて机の下に置かせていただきます」という謙遜の意味を持った言葉です。そのような気持ちということで、本当に机の下に置かれるわけではなく、実際には他の手紙と同じように扱われます。

 

いずれも医師に宛てた手紙で用いられる脇付で、医師から医師に宛てた手紙はもちろん、医療事務などから医師に宛てた手紙でも使用されます。

御侍史は、主に紹介状を書く際に使用され、紹介状は院長宛てに送るケースが多く、多忙な立場である院長には秘書がついていることも多いため、御侍史を用いるのが一般的です。院長以外にも秘書がいる立場の医師に宛てた手紙に適した脇付といえます。

 

御机下は、紹介状をはじめ医師個人宛てのさまざまな手紙で使用される脇付です。秘書などがいない若い医師に宛てた手紙でもよく使われるようです。

 

しかし、言葉遣いの細かいことを言うと・・・「先生」や「社長」などの役職名には敬意が込められているため、「先生様」などは二重敬語であり、ビジネスシーンにおいてはマナー違反とされる表現です。

 

そのような背景もあり、御侍史・御机下は「先生」という敬称の後に「御」を付けて使用するため、二重敬語ではないかと疑問の声が上がることもあります。しかし、医療業界では慣習的に使用されているため、言葉としての正誤よりも、医療業界におけるマナーを優先するのでしょう。やはり、お医者様の世界は特別なようです。

 

さて、話をもとに戻しまして、肝心の精密検査です。5月からウォーキングを開始し、食事も見直して、先日の誕生日をきっかけに内科で精密検査を受けたのです。

 

自分なりに頑張ったと思っていたのですが、数値は少し下がっただけ。しかし、糖尿病でも甲状腺や腎臓の病気でもない、中性脂肪はもともと基準値。結果、「様子をみましょう」という診断でした。

 

そして、最後に先生がおっしゃいます。「ウォーキング、頑張ってくださいね。続けることが大事。3か月後にまた検査してみましょう」(ニコリ)

 

その笑顔・・・が、が、がんばります。

 

 

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