ご利用できます？

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先日、買い物に訪れた店舗で、このような文字を目にしました。

「〇〇のポイントカードが、ご利用できます」

 

この表現に違和感はありますか。

 

「ご（お）～できる」は、謙譲語「ご（お）～する」の可能を表す言い方なので、尊敬語として使うのは、一般的には誤用とされています。

正しくは、「ご利用になれます」です。

 

 

 

しかし、日常の場面では、このような言い方をよく耳にするのではないでしょうか。

「ご乗車できませんので、ご注意ください」
「こちらのメニューは、お持ち帰りできます」
「どなたでもお気軽にご参加できます」
「今なら、安値でお求めできます」

 

以上、すべてが誤用です。

 

 

しかし、これらは世間で使われているうちに耳慣れてしまった表現で、誤用だと感じない人も多いでしょう。

 

 

平成16年度の文化庁の「国語に関する世論調査」でも、「ご乗車できません」について「正しく使われていないと思う」と答えた人は、3割弱（27.4％）でした。平成9年度の調査（30.5％）との比較から、「誤用」と捉える人は次第に減る傾向にあるようです。

 

 

今後、次第に使用が広がる可能性もありますが、敬語の「誤用」であることには変わりないため、注意したいものです。

 

 

尊敬語にするなら、「ご（お）～になる」の可能表現である「ご（お）～になれる」を使うのが正しい用法です。これに沿って、先ほどの表現を正しくすると、

 

「ご乗車になれませんので、ご注意ください」
「こちらのメニューは、お持ち帰りになれます」
「どなたでもお気軽にご参加になれます」
「今なら、安値でお求めになれます」

 

とは言っても、尊敬語の「ご乗車になれません」などは、やや堅苦しいと感じる場合もあるかもしれません。では、他の言い方にするには？

「乗車」を動詞ではなく名詞と捉え、助詞の「は」を加えて、「ご乗車はできません」とすれば問題ありません。

 

 

また、場面によっては、相手の動作によって自分が恩恵を受けることを示す「いただく」の可能の形「いただける」を使って、「ご乗車いただけません」と言いかえることもできます。

 

 

同じように、「ご利用いただけません」「お持ち帰りはできません」「お持ち帰りいただけません」

「ご参加いただけません」などです。

 

 

言い方は一つではありません。具体的な状況にあわせて、よりふさわしい表現を探したいものです。今回もまた、結論は・・・言葉って難しい～

 

 

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