「普通」って難しい
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鹿児島から新潟に移り住んで早9年。フリーアナウンサー、ビジネスマナーの講師として研修や講演活動を始めて間もない頃のことです。
ある保険会社のセールスレディの皆様への講演でしたが、贈答のしきたりとマナーで、祝儀袋、不祝儀袋の話をしました。一般の慶事の場合、紅白のちょう結び、結婚祝いの場合は、紅白、あるいは金銀の結び切り。弔事用は白黒か黒。あるいは、銀色の結び切りが一般的で、仏式の上書きで、御霊前は四十九日の法要まで、その後は御仏前。など「普通」の話です。
研修が終わり、控室に移動する私を2人のご婦人が追ってきました。そして、こうおっしゃったのです、
「先生、このあたりで不祝儀袋といえば『黄白(きじろ)』が『普通』なのよ」。
田巻「?・?・? キ・ジ・ロ?」 寝耳に水です。
開催地は新潟県の中部、日本三大花火の長岡花火が有名な中越地域でしたが、黄色と白の水引の不祝儀袋を使うと教えられたのです。新潟に住んで間もない頃、コンビニでその実物を見かけていたのですが、そもそもそこで調べなかったのが、田巻、アウト!
秘書として鹿児島では聞いたこともなく、秘書検定などでビジネスマナーを学ぶ上でもいわゆる一般的なことしか知らなかったことを恥じました。その後調べたところ、黄白は関西や中国、四国地方、北陸の一部で使うことが多く、特に京都では法事の香典袋は黄白がポピュラーであると知りました。
地域によって様々な風習があり、そこでは「普通」であることが自分には全く新しい情報であることも。もちろん、地域性が把握できない場合、一般的なものを使っても失礼にはあたりませんが、他県のしきたりを知ることは、その土地で生きていく術になることは間違いありません。
世間のしきたりだけでなく、上司や同僚、仕事関係者との仕事の仕方や意思疎通など、世の中には通じると思っていても、通じないことも意外と多く、自分の常識は他人の非常識とはよく言ったものです。
それに気付くためには、いろいろな世界に身を置くか、人の話を聞いて自分のこととして想像したり、とにかく、自分は間違っているかもしれないと思いながら、あらゆる角度から考えることも重要です。
ところで、広辞苑で「普通」を引くと、
1 ひろく一般に通ずること。
2 どこにでも見受けるようなものであること。なみ。一般。
「普通」という言葉遣い自体が度々問題にもなります。
例えば、料理の味を聞いたら、「普通に美味しい」。
これは、「そこそこ美味しい」と受けとめる人も多いと思います。しかし、若者の間では「本当に」「お世辞ぬきで」という意味で使うこともあるようで、「お世辞ぬきで美味しい」という意味で言っていたのなら、「そこそこ」とは大きな違いです。
「普通そんなことする?」の「普通」には相手への不平不満が表れていますが、反論すると、自分は「普通ではない」ことを認めることにもなるため、言い訳し辛い状況を作る強い表現ですね。世のお父さん方、奥様から言われたことはないでしょうか。
感想を聞いても、何を聞いても、「普通」「ふつう~」にイラッ。
「なんで普通にできないんだ」と言われても、その「普通」は抽象的で、相手に意図が伝わらない場合も。
「普通の生活」「結婚相手は普通の人がいい」昔、キャンディーズが言った「普通の女の子に戻りたい」などの「普通」は、それぞれ人によって違うでしょう。
さて、学期末になると大学では試験がありますが、教員もまた、教えている学生たちから、指導方法や授業内容を評価されます。平成30年度の評価で、1人だけこんなコメントを書いた学生がいました。
「先生は授業の中で、『普通』とか『常識』という言葉を多く使っていたけど、そんなものに縛られなくない」。
(田巻、結構ショック・・・。社会に出て苦労しないように、一般的なことを伝えたつもりが。)
自分の枠だけでものを測ってはいけないとわかっていても、「普通はこうだよね」と人を責めてしまっている自分がいます。人として、それが「普通」なのか、いや、間違っているのかもしれません。「普通」という言葉は、あ~本当に難しい~!!!
保険のセールスレディも学生も、「普通」は言わなくてもいいことをあえて言ってくれたお陰で今の田巻がおります。ありがたや。
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