「大丈夫」で大丈夫？
田巻華月メルマガ「『人間力』に磨きをかける！」メールセミナーの内容をブログでは1週間遅れで簡潔にお伝えしています。2018年5月25日配信分のメルマガの内容です。
先日、千葉での講演前の出来事です。時間調整をするために入ったカフェ。レジ近くの席だったため、女性店員さんと男性客の会話が耳に入ってきました。
事前に支払いを済ませるシステムです。
店員「サラダバーは大丈夫ですか？」
客「はい、大丈夫です。」
店員「では、サラダバーをお付けして○○円になります。」
客「え？サラダバーは要らないんですけど・・・」
珈琲を飲みながらニヤリ、ネタになると思った田巻です。
店員さんは、サラダバーを「お付けしても」とか、「セットにしても」の言葉を省略し、ＯＫの意味。男性客は店員さんの言葉を「サラダバーはお付けしなくてもよろしいですか？」
と思い込み、自らも「要りません」という意味で「大丈夫」と答えました。
とても便利な言葉「大丈夫」。しかし、お互いの思い込みや勘違いからトラブルを引き起こす言葉にもなります。
レジではこんな言葉遣いもよく聞きます。「レシートは大丈夫ですか？」初めて聞いた時は戸惑いましたが、レシートが大丈夫とは、「要らないですか？」の意味であることは学習しました。
断る際に「大丈夫です」と答えるケースが多いこと多いこと。皆さんはいかがでしょうか？
実は田巻もたまに口にして、ハッとします。本来はＯＫや無事といった肯定の意味に使う言葉が、いつから、要らないなどの否定の意味に使われるようになったのでしょう。
会社員時代のことを思い出しました。
50代の上司が20代の若い部下を誘った際に断られたエピソードです。
断られるのは仕方ないが、その断り方がよくわからないと嘆いていました。
「『一杯飲みに行くか？』と誘ったら『大丈夫です』と言われたけれど『行かない』という意味だったらしい。大丈夫なら来れるはずだろう。いったい何が大丈夫なんだよ。」
「大丈夫」について大辞林では、
１． あぶなげがなく安心できるさま。強くてしっかりしているさま。
２． まちがいがなくて確かなさま。
その語源を紐解いてみると、古代中国で生まれ、「丈夫」とは男性のこと。男性の中でも強く立派な人のことを「大丈夫（だいじょうふ）」と呼んでいたそうです。それが日本に伝わり、立派な成人男性のことを「大丈夫」そこから派生して、しっかりしていて危なげがない、安心できるさまを表す言葉となったようです。
本来の大丈夫の正しい使い方は
・この建物は震度7までの地震には大丈夫です。
・彼に任せておけば大丈夫だ。
・熱が下がったからもう大丈夫。
・転んだ人に「大丈夫ですか？」
・この道で大丈夫？
など。
「本来」とは違う使われ方の発信源はやはり若者たちのようで、友だちの誘いを断るときに「大丈夫」を使うのは、「きょうはムリときっぱりと断ると、相手を傷つけてしまう気がする。
しかし、『大丈夫』だと優しい感じがする。」
「レシート、要りますか？」と聞かれたときに「大丈夫です」と言って断るのは、「『要りません』だとキツイ感じがする。わざわざ聞いてくれてありがとうという気持ちをこめて『大丈夫』と言う。」
若者言葉に強い明鏡国語辞典には、2010年発刊の第二版でいち早く「大丈夫」の新用法に触れていて、「相手の勧誘などを遠回しに拒否する俗語。そんな気遣いはなくても問題はないの意から、主に若者が使う」と説明しています。
言葉は生きています。時代とともに変化、進化しているとは言え、誤解を招き、コミュニケーションを取り辛いことも。「大丈夫」と一言で済ませるのは簡単ですが、相手がわかるように伝えることも必要だと思います。
「この資料、明日までに間に合う？」
「はい。大丈夫です。」→「はい。間に合います。」
あなたのその「大丈夫」は、「大丈夫」で大丈夫？
そんななか、無条件に使いたい「大丈夫」は、親が子供にかける言葉「大丈夫」
安心していいよ！それでいいよ！ＯＫだよ！の意味で「大丈夫！」幼い頃から母に言われたその言葉は、なんの根拠もなくても、たった一言で勇気が湧いたり安心したりするものでした。母がそう言うのだから大丈夫！いいとしをした大人が、今でも、母に言われると背中を押される気がするのです。
「大丈夫」は魔法の言葉でもあるのですね。田巻も、息子に、ついでに（笑）夫にも魔法をかけていきます。
志村けんさんのようにおおらかに、「だいじょうぶだぁ～！」
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～ あなたと月と華の道 ～ M＊Fleur 代表 田巻 華月
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