ちょっと、「ちょっと」の話

田巻華月メルマガ「『人間力』に磨きをかける！」メールセミナーの内容をブログでは1週間遅れで簡潔にお伝えしています。2022年10月7日配信分のメルマガの内容です。編集後記やセミナー情報などをタイムリーにご覧いただくには、メルマガにご登録ください。メルマガは毎週金曜日の午後に配信しています。

会議中に発言をするとき、指名ではなく、自ら質問する場合の最初の一言を何と言いますか。

よくある一言が「ちょっといいですか」。社員同士で直接話しかけるときなどにもよく聞く言葉です。しかし、その一言のニュアンスは多種多様。様々な思いが潜んでいます。

文字どおり「ちょっと」だけ言いたいことがある場合は、軽い感じでしょう。

緊張感のある会議で、遠慮しつつ発言する場合の「ちょっといいですか」は、心細そうな声で恐る恐る話しかける雰囲気が想像できます。

また、それまでの意見に賛同できない場合のそれは、声を聞いただけで、不服とわかる言い方でしょう。

「ちょっと」の用法は、「ちょっと」ではないな・・・と思ったのです。

「ちょっと」という言葉遣い、なんなんでしょう。広辞苑を引いてみると、「ちょっと」には、当て字ながら、「一寸」「鳥渡」と漢字もあることがわかりました。ちょっと驚きました。

また、意味は

①わずか。少し。「―の事にも」「一時間―で終わる」

②（逆説的に)存外。かなり。「―金がある」

③しばらく。(呼びかけにも使う)「―待って下さい」「―、あなた」

④ほんのついでに。「―寄ってみる」

⑤(否定の語を伴って)少々のことでは。そう簡単には。「―できない」

とあります。こうしてみると、本当に便利な言葉です。

これ以外でも、言葉の言い方によっては、複雑なニュアンスも生まれます。

妻が夫に「ちょっと、その服で行くの?」と言うと、「もう少し、ましな恰好してよね」と心の声が聞こえてきそうです。

女性同士で「ちょっと、その服いいじゃない」と言うと、「素敵だね、似合ってるわ」と会話が弾みそうです。

「ちょっとショック」は、少しだけショックを受けた場合と、かなりショックを受けた場合のどちらにも使うことがあります。

キムタクのモノマネをする際の定番フレーズと言えば、言わずと知れた「ちょ、待てよ」。「ちょっと待って」は，ほんのわずかな時間待ってほしいときや、進んでいる物事に途中でストップをかけたいときに言いますが、懇願するような口調で「ちょっと待ってよぉ～」と言えば、「勘弁してくださいよぉ～」と同じようなニュアンスを込めることもできます。