コーヒーを飲みながら「珈琲」の話

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先週、このメルマガが配信されたとき、出雲大社にいると書きました。仕事で出張することも多いので、一人旅には慣れました。ここ数年はプライベートでもソロ活を楽しんでいますが、誕生日記念のソロ活は特に気合が入ります。

 

車でドライブがてら、もいいのですが、今年は飛行機旅。その飛行機の機内誌でおもしろい記事に出合いました。直木賞作家 浅田次郎氏のコラムです。『続・コーヒー幻想』と名付けられたそれには、旅とコーヒーの話が綴られていました。機内サービスのコーヒーを片手に読み進めると・・・

そのなかの一部を引用します。(少々、長く引用させていただきます。)

「日本語の『コーヒー』はオランダ語由来であるらしい。鎖国されていた江戸時代に長崎のオランダ商館から、じわじわとしみ出したのであろう。

むろん、小説家の想像ではあるが、興奮作用や覚醒作用を持つ薬として扱われたにちがいない。『苦手』という言葉がある通り、日本人はもともと苦味を嫌う。おそらくは『良薬は口に苦し』の典型とされていたのではあるまいか。

これに『珈琲』の漢字を当てはめたのはいつのころであろうか。『珈』の字義は高貴な女性の髪飾り。『琲』は宝珠を貫いて作った装飾品で、転じて『貫く』の意にも用いられる。

珈琲。これは当て字の傑作と言えよう。うるわしくかぐわしく、しかも胸を貫くほどの刺激。コーヒーには異国の女神が宿っているのである。

オランダ語に漢字を当てるならいは江戸時代からあるが、コーヒーがもし苦い薬とされていたならば別の当て字である『可否』、すなわち『否むべし』のほうが適切であるから、むしろ『珈琲』は嗜好品として認識された明治期以降ではないかと思う。

それ以前であるとしたら、命名者はよほど味覚が確かか、欧米を訪れた経験のある人物であったのだろう」

 

いかがでしょうか。確かに、「珈琲」という当て字は傑作です。そして、これを誰が考えたのか気になりました。

 

大手コーヒーメーカーなどがその歴史を紐解いていました。それによると、コーヒーを「珈琲」と漢字表記することを考案したのは、幕末に活躍した蘭学者の宇田川榕菴(うたがわ ようあん 1798-1846)でした。

 

そして、浅田氏が言うとおり、「珈琲」とは、飲み物でも見た目の色や効能を表すものではなく、女性の髪を彩る「玉飾りのついた花かんざし」を意味します。

飲み物と髪飾り。まったく関係ないように思う二つがつながる理由は、コーヒー豆が収穫される前の「コーヒーチェリー」にあります。

一本の枝に連なる真っ赤な実は、確かに、色あざやかな「髪飾り」に見えます。榕菴は、コーヒーチェリーを当時の髪飾りに見立てて、「珈琲」の漢字を考案したというのです。

 

浅田氏は、「コーヒーには異国の女神が宿っている」と表現していましたが、当時の日本の女性が髪に飾っていた「かんざし」に似ていることから発想したようです。

 

鎖国をしていた江戸時代の日本で、海外との関わりが唯一あった長崎・出島から、この国のコーヒーの歴史は始まったのは確かです。漆黒の見た目や独特の風味は、なかなか日本人の口に合わないものでしたが、日本全国に広げるためには「コーヒー」と呼ばれている音に適当な漢字を当てはめる必要がありました。

コーヒーはオランダ語で「koffie(コーフィー)」と発音します。当時の人々は、どうにか日本語にしようと、「可否」「可非」「架非」「哥非乙」「黒炒豆」などを考えついたようですが、まったく浸透しなかったそうです。

 

そんな中、幕末を代表する蘭学者 榕菴が、150年以上使い続けられる「珈琲」の当て字を生み出したのです。

ちなみに、榕菴は翻訳と造語の天才で、日本に概念が無かった植物学や化学の書物を翻訳し、酸素、水素、窒素、細胞といった言葉を日本語にしたのも彼の功績です。現在でも日常的に使われている用語が他にもたくさんあるようです。

 

何気なく目にし、認識していた言葉「珈琲」には、先人の類いまれなる発想力とセンスが込められていました。

 

カップに入ったコーヒーからは、なかなか想像のできない〝豆〟知識でした。

 

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