不躾ながら「不躾」の話

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テレビの情報番組で、アナウンサーがタレントの自筆の手紙を紹介していました。手紙そのものをフリップにして、その文章を読んでいました。

その文章のなかに、「不躾ながら」という言葉があったのですが、そのアナウンサーは、「不躾」を「ふらち」と読んだのです。なぬ！？田巻、びっくりです。

 

アナウンサーは、自分が担当するもので、わからない読み方や、少しでも不安に思う言葉があれば事前に調べます。

 

・・・ということは、

そのアナウンサーは間違いなく、「不躾」は「ふらち」だと思っていたのでしょうか。

 

 

フリップで文字を確認できたのですぐに間違いとわかりましたが、ただ、読んで紹介だけであれば、そのタレントさんの文章が変だと感じたでしょう。

「不躾」の読み方は、「ぶしつけ」。「無作法にもかかわらず」や「礼を欠いてはいるが」の意味を表します。

それを「ふらち」と読めば、

１道理にはずれていて、けしからぬこと。また、そのさま。ふとどき。

２要領を得ないこと。埒のあかないこと。また、そのさま。

文章の内容も変わってきます。読んだ若い女性アナウンサーは、普段から「不躾ながら」という言葉遣いを知らなかったのでしょうか。

 

「無作法であることを自分でも理解しています」という意味があるため、相手に礼を欠く可能性がある行為や発言をする前につけることが一般的です。

 

自身の言動に対して謙遜する際に用いられ、例えば、「不躾で申し訳ありませんが」と言う際、それは「大変失礼で申し訳ありませんが」という意味を持ちます。

相手に急なお願いや迷惑をかける可能性のある場合に「不躾ながら」と使います。お礼や謝罪においてもクッション言葉として使用できます。直接会って伝えるべき挨拶やお礼、謝罪をメールで伝える際に、メールでの対応に対する非礼を謝罪する意味でも活用されます。

「不躾」は「不仕付け」とも表記されることがありますが、その理由は、「仕付け」が「躾」の語源だからです。「仕付け」とは、裁縫で「縫い目や折り目を整える仮止め」を意味する言葉で、そこから「不躾」が生まれました。

情報番組では、数分後に他のアナウンサーが、「『不躾』は、『ぶしつけ』ですね」と訂正していました。

 

今週は、　不躾ながら、「不躾」のお話でした。

 

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