「忘年会」は、何を忘れる?

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コロナ5類移行に伴い、街は賑わいを取り戻しています。早いものできょうから12月。いよいよ忘年会シーズンですが、皆さんは、ご予定はありますか。田巻は昨夜も今夜も忘年会です。

 

ところで忘年会とは、いったい“何”を忘れる会なのでしょう。

「忘年会」を辞典で引いてみると、「その年の“苦労”をわすれるために、年末に催す宴会」とあります。

 

いろいろ大変なことや嫌なともあることを前提に、その“苦労”を忘れるために会を催すのですね。実際は、1年頑張ってきたその努力を振り返り、同僚や友達とお互いの労をねぎらう会と言えるでしょう。美味しいものを食べたり飲んだりしながら語り合い、うさを晴らしてぱ〜っと楽しむ行事、という認識です。

 

ところで、「忘年会」は、前述した意味が辞典に載っていますが、「忘年」だけを調べると、そこに他の意味があることも日本語の興味深いところです。

 

 

広辞苑はじめ多くの辞典にはこのように説明されています。

ぼう‐ねん【忘年】

1 年の老いたのをわすれること。老年を気にしないこと。

2 年齢の差を気にとめないこと。「―の交わり」

3 その年の苦労をわすれること。としわすれ。

 

 

一般的な忘年会の意味は3ですが、1と2の「年老いたこと」と「年齢の差」を忘れるとはどういうことなのでしょう。

 

1の「年老いた」ことを忘れる意味は、古代中国へと遡ります。宋に生まれた思想家である荘子が「忘年忘義」と書き記しているようです。古代の中国は儒教の時代で、年齢が一歳違えば年長者は先生であり、敬わなければいけない社会でした。

 

それはそれで社会を円滑に動かすには必要なことですが、こればかりでは肩が凝って仕方がないので、自分の老いも忘れ、周囲の人々と対等に付き合えば、どんなに善いだろうと記しています。

 

 

この「忘年亡義」が日本に輸入されると、自分の老いを忘れるという意味が、嫌な事があった一年を忘れるという意味になっていったようです。

 

また、2の「忘年の交わり」などと言われる「年齢の差」を忘れる意味も中国の故事が語源になったと言われています。「忘年の交わり」は、荘子の時代から500年程後の紀元3世紀、三国志の動乱時代に登場した禰衡(でいこう)と孔融(こうゆう)という二人の人物が由来になったとされています。

 

禰衡と孔融は、親子ほど年の差が離れていたのに、お互いを尊敬し合いながら、親しく付き合っていたということが、年齢の差を気にしない「忘年の交わり」の語源として伝わっています。

 

日本の忘年は、中国の忘年の意味をもとに、日本独自の意味を創り上げたのですね。

中国式の忘年亡義で、忘年会に参加している全員が自分の肩書を忘れ、忘年の交わりで年齢も忘れる。全員が対等の立場になって仲良くお酒を注ぎ合い、親睦を深めるのもいい・・・と思うのですが、仕事で飲むと、肩書も年齢も忘れたくても忘れられない、いや、忘れてはならないのが日本人でございます。

 

 

お酒を強要したり、記憶を無くすほどに飲むことなく、節度をもって楽しみたいものです。

 

田巻は若い頃にやらかしたお酒の失態を、忘れようにも忘れることはできません。今となっては、もうそれは“ネタ”として生かしております。

 

 

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