安心感

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テレビのチャンネルを変えた瞬間に飛び込んできた懐かしい映像と歌に、釘付けになりました。NHK教育、「みんなのうた」で大ヒットした「山口さんちのツトム君」です。

大ヒットしたのは1976年のことなので、48年前。ちょうど50代の方なら、その頃2歳から12歳頃のこども時代、リアルタイムで聞いたでしょう。その親世代となると、70代80代。その後何度も放送され、YouTubeでも見られるので、今の若い世代でも知っている人が多いかもしれません。

 

「山口さんちのツトム君 このごろ少し変よ どうしたのかな」最初の歌詞を聞いて、口ずさみ・・・ん?で、どうして変だったんだ?今さらながら、「ツトム」ってカタカナの人ってあんまりいないよね・・・なんて思いながら聞き入ってしまいました。

 

最初のフレーズは歌えても、途中は曖昧。最後まで聞いて納得しました。3番まである歌詞、2番まではこうです。

「山口さんちのツトム君 このごろ少し変よ どうしたのかナ 広場で遊ぼうって言っても絵本を見せるって言っても いつも答は同じ 『あとで』 つまんないナア

山口さんちのツトム君 このごろ少し変よ どうしたのかナ大事にしていた三輪車 お庭で雨にぬれていた けさは元気になったかナ 『おはよう』 返事がない」

 

歌は幼い少女の視点で語られています。その年齢の子どもが持つことのできる情報量や理解力で判断したことが語られていますが、大人には察しがついてわかっていることが、子どもには不思議に見える・・・それが子ども目線で語られることによって、重大なことのように思えてきます。

 

そして、答えは3番の歌詞に出てきました。

「山口さんちのツトム君 田舎へ行ってたママが 帰ってきたらたちまち元気になっちゃって 田舎のおみやげ持ってきたつんだばかりのイチゴ チョッピリ すっぱいね」

 

子どもにウケる歌は、子どもにとって重要なことを歌っている場合が多いでしょう。この歌は、母親がいかに気になる存在か、母親が家にいる安心感がまずベースにあるのでしょう。母親の安心感があってこそ、関心が家の外に向いていくということを表しているのでしょうか。

専業主婦も多かった当時、時代を反映しているのかもしれませんが、子どもの歌だから子ども向けとは限りません。子どもに向けられていても、大人にも訴えるものもあるように思います。

 

そして、ママはなんのために田舎、つまり実家に里帰りしていたのかという理由は歌詞には書かれていません。高校の同窓会?実家の用事?歌詞の雰囲気からママは1日2日留守にした感じではなさそうです。

 

夫婦喧嘩をして実家へ帰ってしまった・・・気持ちが落ち着いて戻ってきたのかもしれません。ツトム君は子ども心に何か感じとったのでしょうか。

あるいは、ママが出産のために里帰りしていたということも考えられます。となると、歌詞には出てきませんが、パパと二人の生活が少々長いはずです。仮に赤ちゃんを連れてきたら、弟か妹にとまどい、何事もなかったように〈たちまち元気になっちゃって〉ということはないでしょう。

 

その 〈たちまち元気になっちゃって〉というちょっと皮肉っぽい言い方が、女の子にしてみれば、自分が何回誘っても反応がなかったのに、ママの姿を見たとたんに元気になり、「まったく!男の子って(マザコンか!)」くらいの気持ちが、幼い女の子自身も気がつかないうちに芽生え、ママにやきもちを焼いているのか・・・

 

〈山口さんちのツトム君〉という呼び方にも、おマセな感じが漂っています。ツトム君は4,5歳くらいと想像できますが、女の子もそれに近い年齢として、友達のことを呼ぶならただ単に、ツトム君で、〈○○さんちの○○君〉とは言わないでしょう。

 

 

この場合、〈○○さんちの○○君〉というのは大人の言い方です。昨今は母親のことをツトム君ママなどと言いますが、70年代は子ども中心の言い方ではなく、むしろ家を中心にして呼んでいたでしょう。

 

おそらく、この女の子の家のお母さんが、お父さんにむかって「山口さんち、このごろ少し様子が変なのよね」などと言っているのを聞いて、女の子が覚えたのかもしれません。いつの世も、女の子はおマセさんです。

 

歌詞からは、他のことに気が回らないくらい落ち込んでいる、外に遊びに出ることもできないほど心配、もしかしたら帰ってこない可能性も予想している・・・ようにも思えます。

 

実は、この歌を作詞作曲をした みなみらんぼう氏によると、当初の案ではママは帰ってこなかったようで、創作の裏話をこう話しています。「3番でお母さんが帰ってくるのは、ディレクターの方に“あんまり寂しいから、3番はハッピーエンドにしてくれよ”って言われて直したものなんです」

ひえ~。ひとまず帰ってきてくれて、よかった~。〈このごろ少し変よ どうしたのかな〉などとのんびりしたことを言っている場合ではありません。

 

山口ツトムのモデルは作者みなみらんぼう自身であると語っています。中学1年の時に母親を亡くし、その時の心情が上手いこと幼児を借りて表されていると。

また、ツトムの片仮名が「勤・勉・努」といった漢字が使われていたら固有名詞として特定されすぎてしまいますが、山口ツトムという、どこかにいそうな名前であることによって、どこかで起きていることではないかという本当らしさが出てきます。

 

さて、この歌の根底にある「安心感」、7年程前になりますが、グーグルの2年間にわたる調査により、高いパフォーマンスを上げるチームには、ある一つの共通点があることが発表されています。

 

それが、「安心感」。

もし間違ったことをしても罰を受けることはないという確信としています。安心感があると、適度なリスクを取ったり思っていることを正直に明かしたりできる。創造性が高まり、安心して何にでも首を突っ込めることが諸研究から判明したそうです。

 

「安心感があると、人間はより寛容になり、回復力が強くなる。モチベーションが高まり、持続力も増す。ユーモアも増え、問題解決力や拡散的思考も向上する。いずれも、創造性を支える認知プロセスで、やりがいはあっても脅威は感じない……職場がそういう場所であれば、チームは拡張‐形成モードを維持できる」としています。

 

家庭でも、職場でも、「安心感」というキーワードはポイントになりそうです。

皆さんにとって、安心感のある存在は?

 

田巻にとって、他界した父の存在は大きくありがたい、とは思っていますが、やはり、離れていても母が生きているだけで、安心感。

世のお父さん、チョッピ~リ すっぱいね~。

 

 

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今年1月下旬に4刷になってから、たった3か月で5刷が決定し、感謝しかありません。田巻は大学の授業や企業研修で教科書として使っていますが、今年に入って、関東、九州の大学、専門学校、高校の存じ上げない先生方が教科書として採用してくださいました。

拙著『安心と自信を手に入れる!ビジネスマナー講座』をもとに、インスタグラム「ビジネスマナーミニ講座」をお伝えしています。毎週火曜日に更新します。フォローしていただければ嬉しいです。

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