〇心と秋の空
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新潟は、お盆を過ぎると一気に空気が変わる気がします。空の変化、日差しの変化、肌に感じる風の変化に秋の訪れを感じます。
ところで、変わりやすい秋の空模様と移り気な心模様を重ねた「〇心と秋の空」ということわざ。
〇にどんな言葉を入れますか?
「女」でしょうか。それとも、「男」でしょうか。「女心と秋の空」と、「女」を入れる方が多いでしょうか。えっ、「男心と秋の空」ってことわざもあるの?と思われた方・・・
はい。実は「男心と秋の空」のほうが、本来のかたちとされているのです。「男心と秋の空」のことわざが誕生したのは江戸時代で、既婚男性が他の女性に気持ちが移ろいやすいことを表現していたものです。
既婚女性が他の男性に気持ちを許すことは禁止されていても、既婚男性にはさほど厳しくなかった江戸時代から室町時代にかけての文化風潮を示すものでもあったのですね。
しかし、大正時代を迎え女性の地位が認められるようになってくると、恋愛に対してのルールや価値観も変わってきます。
この頃、男性への愛情に対してのみならず、女性の喜怒哀楽の感情の起伏の激しいことや、物事に対して移り気なことを示した「女心と秋の空」という表現が生まれたようです。
「男心と秋の空」は、主に女性に対する愛情が変わりやすいことなので、「女心」と「男心」は、少しニュアンスが違います。
昭和に入って徐々に「女心と秋の空」も定着していきますが、あの『広辞苑』に初めて掲載されたのは1998年の第5版。つい最近というのも驚きです。
ことわざが出来上がった背景を見てみると、男性も女性もどっちもどっち?という気にもなりますが・・・性別を問わず人の心は移ろいやすいものでもあるので、そのような人間の感情のもろさを表現したことわざに間違いなさそうです。
ところで、大手アパレルメーカーの「H&M」が、先日、ジェンダーレスの服を発表しました。「無印良品」は、来年から男女兼用の服を半数にするとか。
言葉は生きていて、変化するものですが、「男」か「女」か、なんて考えるより、「人の心と秋の空」としたほうが簡潔のような気がします。
そういえば、ポジティブ男子、高2の息子ですが・・・昨年末に金髪になった息子、2学期が始まる前日、黒髪に染めて東京に戻って行きました。
感情を髪色で表しているなら、これも、男心と秋の空?
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